コロナ禍の巣ごもり需要で、ネットショッピングの利用が増えている。総務省統計局の家計消費状況調査によると、ネットショッピング利用世帯の割合は2020年5月に50.5%を記録。調査を開始した2002年以降で初めて5割を超えたという。以降も上昇傾向にあり、今年4月の割合は52.4%となっている。
ネットショッピング利用の勢いが増す中、もはや店頭には行かずネットでしか買わなくなったモノもあるようだ。「ネット通販慣れ」した利用者たちの声を集めた。
「この前、注文した覚えがない商品が届いて驚いたら、自分でAmazonの定期おトク便に登録していたものでした」
そんなうっかりエピソードを教えてくれたのは、メーカーで働く40代の女性・Aさんだ。新型コロナの感染拡大以前からネットショッピングは欠かせないものだったが、コロナ禍でその存在感は増しているという。
「元々、まとめ買いをするビールと重たいお米はネットでしか買っていませんでした。それがコロナで、外出機会を減らしているうちに、お菓子、文房具、化粧品、コンタクトレンズなど、どんどんネットで買う品目が増えていきました。ネットで買うのは、基本的に新しいものよりも同じもののリピートです。大きさとか使い勝手とか、“絶対わかっている”ものは、ネットでいい。だから、Amazonの定期おトク便をどんどん利用していたら、把握しきれないほどに……」(Aさん)
商品の中には、「近所のスーパーで買った方が若干安い」と感じるものもあるというAさんだが、「家まで持って来てくれるから」と、納得して買っているという。
ネットで買うようになってから「冒険しなくなった」
IT企業に勤める30代の男性・Bさんが住むマンションの部屋には、Amazonをはじめネットショップ各社の段ボールが山積みになっている。
「届いたら安心してしまうのか、未開封のままの段ボールがどんどん貯まってきています。小説、漫画、お酒などが多いですね。僕の場合、“気になったものをとりあえず買っておく”という時にネット通販を利用します。すぐ読みたい本や、今すぐ使いたいものはリアルで買いますが、急いでいないものや、自分の目で確かめなくてもスペックを見るだけで性能がわかるものはネット通販一択です」(Bさん)