共通の趣味で盛り上がった学生時代の友人との久しぶりの再会。昔話に花を咲かせて懐かしさを覚える人もいるだろうが、時間の流れはそれぞれの生活も変化させる。友人たちは変わってしまい、自分だけが当時のままで、取り残されたような感覚を抱く人たちもいるようだ。そんな体験をした人たちのリアルな声を集めた。
金融業界で働く20代男性・Aさんもその一人。昨年、Aさんたちが愛するアイドルプロジェクトが10周年を迎えた。ちょうどそのタイミングで学生時代にアニメ視聴を始め、ライブにも一緒に行った友人たちとオンラインでの再会を果たした。Aさんの思い出がよみがえる。
「大学卒業してすぐ、僕らが好きなアニメの劇場版を見に行ったんです。公開日が僕の誕生日だったこともあり、もう運命とさえ思いました。僕らは物語に感動して、その後カフェで5時間くらい語り合いました」(Aさん)
当然、今も友人がアイドルプロジェクトを好きだと思っていたAさん。いざ再会してみると、予想もしなかった反応が返ってきた。
「10周年の話をすると『まだ続いていたんだ』と言われました。もう一人からも『俺の中では初期で終わっているから』と冷たくあしらわれました。さらに、『アラサーになっても、まだグッズやフィギュア買ったり、スマホゲームにもお金使っているの?』と不思議そうに言われ、温度差を感じました……」(Aさん)
友人たちはアニメの話より、仕事の話をしたがっていたという。お金の使い方についても、資格のオンライン講座や投資についての話ばかりだったそうだ。それでもAさんはオタクである自身に対してポジティブだ。
「みんな“普通の大人”になってしまいました。僕はアイドルプロジェクトのおかげで毎日が楽しいし、今年始まった新シリーズも来年の既存シリーズ2期のアニメも見ます。コロナが終息したら、ライブにも行くつもりです。僕に死ねない理由をたくさん作ってくれたすばらしいコンテンツです」(Aさん)