家族の突然の死はただ悲しいだけでなく、さまざまな手続きという避けられない問題ももたらす。埼玉県の主婦、中内圭子さん(57才・仮名)は、82才で亡くなった母親の遺品整理で頭を悩ませている。
「母はずっと、家族にお金の話をするのをいやがっていました。急に亡くなってしまったので、きょうだいのだれも財産について聞いていないんです。現金だけでなく、生命保険などのほかの財産もあったようなのですが、よほど厳重に管理していたのか、通帳も保険証券も、さっぱり見つからなくて……」
親が何も言わずに亡くなると、銀行預金や生命保険、株や不動産などの財産がどこにどれだけあるのか、すべて把握するのはなかなか難しい。
だが、手掛かりがないわけではない。
メガバンクなら「母の旧姓の口座」もすぐわかる
銀行口座は、名義人が亡くなると凍結されるほか、長い間使われないと「休眠口座」になってしまう。遺品整理などを手がけるクオーレ代表の竹本泰志さんが言う。
「銀行口座の扱いは、年々慎重になってきています。特に女性の場合、旧姓でつくった口座をそのままにしていることを知らなかったり、忘れているケースが多いので、めんどうでも氏名や住所が変更になるたびに手続きして、使わなくなった口座は名義人が元気なうちに解約するなどの整理をしておいてほしい」