街の商店街などにある、昔ながらの中華料理店、通称「町中華」。少々店構えが古いところも少なくないが、それでも“町中華が一番だ!”という声も多い。外食産業に詳しいライターの小浦大生氏も、町中華の大ファン。その魅力をこう語る。
「町中華は、安くてボリューム満点の店が多く、メニューの種類も多い。昼はランチタイムでサラリーマンに愛され、夜は地元の人々が居酒屋代わりに飲んでいる、という町中華も多いですね。もちろん今はコロナ禍で、町中華での飲みを楽しむことは難しくなっていますが、BS-TBSでは町中華を紹介する『町中華で飲ろうぜ』という番組もあるほどに、町中華ファンは多いんです」
小浦氏は、都内にある複数の町中華に足繁く通っているという。
「個人的に好きなのは、メニューが豊富な町中華です。壁にズラッと張り出されているメニューを端から頼んでいくだけでも十分楽しいし、毎回いろいろな発見があるんです。“この料理とあの料理は味付けが同じだな”なんていうのは、まさに“町中華あるある”ですね。あと、定番料理でも店ごとに微妙に違いがあって、それを見つけるのも楽しいです」
町中華の愛好家には、それぞれのスタイルがある。都内に住む会社員・有澤さん(40代男性)は、ランチタイムに町中華を利用することが多いという。
「私がよく行く町中華は、ランチが充実しています。一品料理とご飯とスープのセットで基本は750円。周囲のお店でランチを食べると、800~1000円位することが多いので、お財布にも優しいですね。そして、何よりありがたいのが、量がとんでもなく多いこと。山盛りのレバニラ炒めや肉野菜炒めを食べれば、昼からお腹がパンパンになります。あと、肉と野菜を一緒に摂れるのもうれしいですね」
町中華はとにかく値段設定が安い。一品料理はもちろん、麺類もラーメン専門店に比べて安いことが多い。
「都内の専門店でラーメンを食べると、1杯700~800円くらいしますが、町中華ならラーメン1杯550~600円くらいのところも珍しくない。そこにライスや餃子をつけて、ちょうど専門店ラーメンくらいの価格になると考えれば、町中華はとにかくコスパがいいんです」(小浦氏)