一生のうち3分の1は「睡眠時間」だとされる。それだけに自分に合った寝具を選べるかどうかは重要なこと。たとえばベッドのマットレスをどう選ぶか。体型や年齢、体のコンディションなどに合わせて、自分にとってベストなものに出会うのはなかなか難しい。その反面、マットレスは睡眠の質に直結するだけに、「少しでも良いもの」を買おうと奮発して、高額なものを購入する人もいるだろう。できれば失敗を避けたいが、上手くいかなかった人たちは少なくない。一体どんなミスを犯してしまったのだろうか。
低反発と高反発どちらも合わず、どうすれば…
メーカーに勤める30代男性・Aさんは、マットレス選びに2度失敗。現在は買い替える気力を失い、「イマイチ」だと思いながらも我慢して使い続けている。1度目の失敗は低反発タイプのマットレスを購入したことだ。
「ちょうど引っ越しを機に10年使ったベッドの買い替えを考えていました。友人に相談すると、おすすめは低反発ベッドで、『ふわふわでフィット感抜群で寝心地が良い』と聞き、ネットで検索すると、友人の言う通りの高評価レビューが並んでいました。期待が高まりました」(Aさん)
引っ越し前に古いマットレスを処分し、新居で新しいものを購入することにしたAさん。スケジュールに余裕がなかったため、友人の声とレビューを信じて約5万円の低反発のマットレスを購入した。だが、すぐに後悔することになったという。
「結論から言うと、私にとって低反発は失敗でした。マットが体に密着して暑いし、特に背中に熱がこもる感じが気持ち悪い。寝返りも打ちづらかったし、腰が沈みやすいので腰が痛くなってしまいました。毎朝、起きて体が痛くてだるい感じで、疲れが取れた気がしませんでした」(Aさん)
Aさんによると、失敗の原因は友人との「体型差」だったのではないかと分析している。友人はやせ型で、Aさんは身長も体重も標準体型を上回るガッチリ型。体型の違いを考慮しなかったのが問題だった、と思ったAさんは、思案の末に、親にプレゼントという形でマットレスを手放した。
「5万円は痛い出費でしたが、最初から親へのプレゼントだったと思うことにして、再度の購入に踏み切りました。今度は高反発タイプの硬めのマットレスにしようと思い、失敗しないためにも実店舗で寝心地を試してみることにしました。すると腰への負担も感じられず、長く使えそうなものに出会えました。6万円ほどでした」(Aさん)