快適なバスタイムのためには欠かせないお風呂グッズ。その中でも意外と意見が分かれがちなのが、「お風呂の椅子」。お風呂には洗面器とセットで椅子が当たり前のように置いてある家庭も多いだろうが、その一方で「お風呂に椅子は不要」と感じている人たちもいる。
実際、オールアバウトが今年7月に全国500人を対象に実施したアンケートによると、お風呂の椅子を「使っている」は70.2%、「使っていない」は29.8%と、「使っている派」が若干優勢のようだが、「使っていない派」の存在感もなかなかのもの。それぞれどんな事情や言い分があるのだろうか。
椅子がないとバスタイムを満喫できない
まずは「使っている派」の意見。
「お風呂は憩いの時間なので、椅子に座ってゆっくりと落ち着いて体を洗いたい。椅子なしのバスタイムは考えられません」
そう話すのはメーカーで働く30代女性・Aさんだ。自身の憩いのバスタイムだけでなく、子どもが小さい時は「特に重宝した」とも言う。
「子どもと一緒にお風呂に入る場合、まだ1人で髪や体が洗えない頃は、椅子がないと中腰にならなければならないのがつらい。その意味で椅子は必需品でしたね。小学校低学年くらいまでは子どもと一緒に入っていましたが、その際も椅子があると落ち着いて親子時間を楽しめるので、一時期は椅子を2つ置いていた時期もありました。銭湯に行ったみたいで楽しかったですし、髪の毛を洗いながら九九を暗唱していたのも良い思い出です」(Aさん)
お風呂に椅子を置く場合、カビの存在は気になるところ。Aさんはどういった対策をしているだろうか。
「家族の中で私が最後に入る場合は、掃除をしてから出ています。椅子は裏側まで洗い、壁か浴槽に立てかけて乾かせば、カビが生えることはありません。ネックなのは夫が最後に入る場合です。夫は浴槽につからないことが多く、立って洗うので壁や浴槽に泡が付きっぱなし。椅子も使わないのですが、なんとか『お風呂に最後に入る場合、椅子は立てかけておくように』と教育しました」(Aさん)
専門商社で働く60代男性・Bさんは、若い頃は風呂場の床に座って体を洗っていたが、現在は、椅子は欠かせないそうだ。
「年を取ってから立ち上がるのがきつくなりました。お風呂の椅子を使うようになったきっかけは、立ち上がろうとした時にすべって腰を強打して、動けなくなって家族に情けない姿をさらしてしまってからです」(Bさん)
椅子の手入れはある程度の「割り切り」が必要だと語る。どういうことなのか。
「毎日洗うのは大変なので、私と妻が当番制で週1で椅子を洗っています。風呂用の洗剤を吹きかけて、簡単に洗い流して自然乾燥させるくらいですけどね。今は1000~1500円くらいでいいものがたくさんありますから、定期的に買い替えます」(Bさん)