冬場の乾燥対策として欠かせない家電のひとつが、加湿器。だが加湿器と一口に言っても、超音波式、スチーム式(加熱式)、気化式、ハイブリット式(加熱気化式)などのタイプがあるほか、大きさやデザインもさまざま。それぞれの機能やコスト、手入れの手間などをよく考慮せず購入してしまうと、不満を抱えることになってしまう。実際に加湿器をよく利用する人の声から、その実例をみてみよう。
水を入れたまま放置した結果…
「何度か安易に買ってしまって、後悔を繰り返してきました」
そう振り返るのは、メーカーで働く20代女性・Aさんだ。これまで加湿器を2台使ってきたが、一番の失敗は学生時代に買ったものだという。超音波の振動で水を霧状にして放出するタイプで、イメージとしては霧吹き。加熱工程がない分、消費電力が少ないのが特徴だ。
「一人暮らしを始めた当時、インテリアをとにかく可愛いもので揃えたかったんです。それで、加湿器もデザイン優先。超音波式の特徴など何も考えず、店頭で一目ぼれしたものを、何も考えずに購入しました」(Aさん)
買った加湿器は床に置くタワー型のデザインで、当初はインテリアにも馴染むと満足していたAさん。だが、次第にストレスを感じるようになった。
「超音波式は、水を入れたまま1日放置するのはNGで、こまめに水を取り替える必要があることを後から知りました。タンク内で増殖した雑菌が、そのまま霧吹きのように放出される恐れもあるみたいで……。だから、こまめに掃除することが必須なんです。それを怠った結果、部屋の中で“生乾き臭”がしたこともありました。床がびちゃびちゃに濡れることも多くて、それを掃除するのもストレス。加湿器はお手入れが割と面倒だということを学びました」(Aさん)
加湿器デビューは苦いものになったものの、やはり乾燥が気になり、「加湿器は生活に必要」だと痛感したAさん。2台目に選んだのは、タンクの水をヒーターで加熱して蒸発させて放出する「スチーム式」。やかんを沸騰させて、その蒸気を部屋に放出するイメージだ。
「超音波式にはない加熱するという工程がある分、水を沸騰させるので消費電力が大きく、運転音が大きいのがややデメリットです。これも3日くらい稼働させると加熱部分にカルキが付着し、クエン酸で除去しないといけないのが手間です。何を買っても面倒なんですよね(笑)。がんばります」(Aさん)