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「コロナは関係ないです」 結婚式を挙げない選択をする人たちの価値観

無理に結婚式をする必要はないという価値観も(イメージ)

無理に結婚式をする必要はないという価値観も(イメージ)

 結婚したカップルにとって、大きな晴れ舞台となるのが結婚式。当人たちだけでなく、出席した家族や友人らにとっても特別なものとなるはずだが、「挙げない」選択をする夫婦が増えている。明治安田生命保険によると、2019年10月以降に結婚した新婚夫婦のうち6割近くが結婚式を挙げなかったという。もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は否定できないが、当事者たちに「挙げない」理由を尋ねると、それだけではない理由も見えてきた。

SNSに2人の写真を投稿してお披露目

 IT企業に勤める30代男性・Aさんは、3年前に入籍。結婚式を挙げなかった一人だが、コロナ禍と関係なく、式を挙げるという選択肢はなかったという。なぜなのか。

「実は、最初は結婚式をしてもいいかなと思っていました。でも、今は誰しもが結婚する時代ではないと思った時、結婚式に呼んでお金をもらうことに罪悪感を覚えました。確かに自分たちを祝福してくれることは嬉しいですよ。でも、出席してくれた人が『今度は私も結婚するからお互い様』みたいな価値観はもう成り立たないし、自分が呼ばれた時のことを振り返ると、割合“面倒”という気持ちのほうが大きかったなあと……」(Aさん)

 Aさん自身、友人や職場の同僚の結婚式に招かれると、100%出席してきた。しかし中にはまるで人数合わせのように、たいして親しくもない知人から招待されたこともあったうえ、披露宴出席が続いた時には月に10万円近くかかって辛いこともあったという。

「大学を卒業するのが友人たちよりも遅かったので、給料もあまりない中で“結婚式ラッシュ”があった時はきつかったですね。でも『祝わないと失礼』みたいな思いもあって……。当時、自分が結婚する時は、こんな思いをしてまで、参加してもらいたくないと思ったのを思い出しました。大体、開催するほうも『1人ご祝儀3万円もらえるとして、食事はいくらくらい、引き出物はいくらくらいで……』といった収支を考えるわけじゃないですか。それって、本当に“祝福”なのかなあ、と疑問が湧いてしまって……」(Aさん)

 Aさんの妻も結婚式を挙げないことに賛同してくれた。そこには現代的な考え方が垣間見えた。

「結婚式は、かつては一堂に会する“お披露目”の意味合いもあったと思います。でも、今は結婚を報告するなら、SNSに写真を投稿したり、一斉送信するだけで事足りる。実際投稿すると『おめでとう』のコメントがあふれ、中には電話で『おめでとう』と言ってくれた人もいました。妻は、『写真も別にいらない』という意見で、指輪交換もしませんでした。その分、少し贅沢な旅行をしたり、誕生日にはプレゼントをしたりするという方針です」(Aさん)

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