牛丼、カップ麺、トイレットペーパー、ガソリン代、光熱費……。あらゆるところで値上げラッシュが止まらない。いくら政府が賃上げを推奨しても、税金や社会保険料負担は増すばかりで、可処分所得は一向に増えてこない。そうした中で、生活に必要なさまざまなものが値上げされ、苦しい家計状況が待ち受けている。値上げされた分、どこかで節約して切り抜けたいところだが、どこを削る余地があるのだろうか。節約を実践中、あるいは予定しているという人たちに、生の声を聞いてみた。
お風呂は家族で時間を決めて連続で入る
「まさかここまでいろいろなものが値上げされるなんて……。年間どれだけ負担増になるか、考えたくもないです」
そう不安を口にするのは、夫と小学生の子供と3人家族の主婦・Aさん(40代)だ。子供の教育費は削れないので、他の部分で節約を試みる予定だという。
「これまではあまり考えずに、近くにあるスーパーを利用していましたが、これからは業務用スーパーのようなところを活用して、少しでも食費を下げなくてはと思っています。光熱費対策はすでに実践済みで、冬なら部屋の中でできるだけ厚着をしてエアコンをかけない、もしくは温度設定を低めにする。お風呂も追い炊きしないように、家族で時間を決めて、連続で入るといった感じでしょうか」(Aさん)
Aさんと夫の共通の楽しみであるお酒についても、買い方と飲み方を見直すことにした。
「気分に応じて、飲みたい分だけ毎回異なる銘柄の缶飲料を買っていましたが、箱買いするなどして1本単価を下げようかな。ただ、以前、箱買いした時は、いつでも家にお酒があって飲みすぎてしまった失敗があるので、『1日何本まで』と決めなくてはいけないと思っています。割材のソーダも、これまでは都度買っていたのですが、ネットで安く売っているものを箱買いしようと思います」(Aさん)
トイレットペーパーを“妥協”して再生紙に
独身者も焦っているようだ。IT企業で働く男性・Bさん(30代)は、在宅勤務中、エアコンをつけっぱなしにしていた夏や冬の月の電気代が数千円上がったことにショックを受けた。「これがさらに上がるとは……」と恐怖を口にする。
「値上げされて、我慢できるものとできないものがあるじゃないですか。光熱費やトイレットペーパーはどうしても使うものだから、厳しいですよね。トイレットペーパーに関しては、これまで僕は絶対にパルプ100%のダブル、と決めていましたが、今後は再生紙で安いものも選択肢にいれようと思います」(Bさん)
趣味に使う娯楽費も見直しを考えているというBさん。ゲーム課金やVTuberへの投げ銭を控える方針だ。
「もともとゲームは据え置きだけをプレイしていたのですが、最近VTuberのゲーム実況に影響を受け、スマホゲームをプレイするようになっていました。課金もしていたので、それをやめようと思います。好きなVTuberへの投げ銭も、少し控えめにしようと思っています」(Bさん)