【「投資初心者のつみたてNISA活用術」後編。前編を読む】
一般的に「投資」といえば、個別の株を買って株価上昇時に売る「株式投資」をイメージする人が多いかもしれない。だが、ある程度の利益を狙うのであれば数万~数十万円のまとまった資金が必要となるうえ、一度に投じるお金が大きいほど株価下落時のリスクも大きい。
一方、長期にわたって安定した利益を目指すのが「長期・積立・分散」による投資法で、「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」もそれに該当する。複数の株や投資信託などの商品に分散して投資し、少額をコツコツと積み立てていくため、長く続けるほど利益が出やすく、株価の下落時も慌てずに済む。一度買ったら、ほったらかしでもいつの間にかお金が増えていることもあり、初心者に適した投資方法といえるだろう。
つみたてNISAは、年間40万円までなら、その後最長20年間、非課税で運用できる。そして商品によってはひと月100円からでも始められる。2月9日にはLINE証券がつみたてNISAの提供を開始し、口座開設から売買までスマホ1台で完結することもできるようにもなっている。手軽に安く始められるのが魅力だが、やはり積立額があまりにも少ないと、得られる利益も微々たるものになってしまう。
家計再生コンサルタントの横山光昭さんによれば、投資初心者のベストな積立額は「月々3000円」だという。
「月々3000円は、飲み会を1回がまんする程度の節約で、簡単に捻出できる金額です。万が一投資で損してしまったとしても、大きな痛手にはなりません。また、普通の貯金と並行しながらでも捻出できる金額なので、貯金と投資を同時にでき、安心感が高まります。投資が怖いという人ほど、月々3000円での投資信託にチャレンジしてみてほしい」(横山さん・以下同)
つみたてNISAなら、最大20年間運用できる。仮に毎月3000円ずつ、利回り3%で運用できた場合、20年後には元本は72万円、運用益は26万5000円で、合計98万5000円を非課税で持っておくことができるようになる。実際に「子供の大学入学までに、教育資金として700万円を貯めたい」などと、月々3000円の投資を始めた場合位、目標金額を大幅に超えることも珍しくないだろう。
「月々3000円から始めて、少しずつ投資金額を増やしていけば、5~10年で1000万円にまでお金を“育てる”のも夢ではありません」
チリも積もれば山となる──月3000円は、そのための第一歩なのだ。