思いつく節約の限りを尽くしているのに、なかなかお金が増えない──そう感じているなら、買い物の仕方について一度立ち止まって考えてみてほしい。例えば、コロナ禍で利用者が急増したネットスーパー。外出せずにまとめ買いもできるため、便利でお得だと感じる人は多いだろう。
しかし、消費生活アドバイザーの丸山晴美さんは「生鮮食品を買うなら、ネットスーパーは避けるべき」と言う。自分の目で見て商品を選ぶことができないため、思ったより量が少なかったり、傷みかけているものが届く恐れがあるのだ。ネットスーパーで買うなら、トイレットペーパーやお米、飲料など、誰が選んでも同じ商品が届くものや、重くて持ち帰りが面倒でかさばるものをメインにするのが賢い使い方だ。
同じネットショッピングでも、アマゾンや楽天などは、頻繁に行っているタイムセールにも落とし穴がある。
「ネットのタイムセールは、たいていが20時や22時など、夜に始まることが多い。これは、人間は夜になると判断力がにぶって、衝動買いしやすいからです。買い物かごに入れたら一晩おいて、朝になってから、本当に買うべきかどうか考え直してほしい」(丸山さん・以下同)
朝になって、セールが終わっていても欲しいなら、それは値段にかかわらず、あなたにとって本当に必要なものだ。判断に迷ったら、その商品と同じ金額の現金を目の前に並べてみて「これだけのお金を払ってもいいか」と考えると、ムダ遣いの抑止力になる。
ネットショッピングは、クーポンの使い方も大切。もらったクーポンを何がなんでも使い切ろうとするのは、むしろムダ遣いを呼びかねない。
「公式アプリやネットショップのクーポンは、こまめにチェックする必要はありません。アプリを開けば、たいてい何かしらのクーポンはあるので“クーポンを使うために買う”のではなく“買い物をするときにクーポンがあれば使う”というスタンスが正しい」