都立高校が2022年度に、髪型のツーブロック禁止や黒髪マストといった“ブラック校則”を撤廃することが報じられた。集団行動を伴う学校生活では、ルールやマナーを守ることが求められるとはいえ、「なんでこんなルールがあるの?」と納得のいかない校則がまだまだあるのも事実だ。時代とともに「おかしい」という声があがるようになったが、かつて校則で苦い経験をした人たちは、大人になってもその経験を忘れてはいない。
校内恋愛禁止ルール「交際は“不純”で学業に影響を及ぼす」
メーカーに勤務する30代女性・Aさんは、「意味がわからなかった校則」についてこう振り返る。
「私の高校では、“校内恋愛禁止”というルールがありました。不思議に思って、教師にその理由を尋ねると、『交際は“不純”で学業に影響を及ぼす』とのこと。はぁ?って感じです。他クラスや学年への出入り禁止というのもあって、まったくもって意味不明でしたね」(Aさん)
校則でメイクが禁止されている学校は今も多い。一重瞼にコンプレックスがあるというAさんは、高校時代、アイプチやアイテープで二重瞼を作ったり、マツエクでまつ毛をふさふさに見せたかった。しかし校則ではいずれもメイク同様、禁止だった。
「メイクやアクセサリー禁止、かばんにつけるキーホルダーは1つまで。アイプチやアイテープ、マツエク、あとはカラコンも禁止でした。アイプチしていない子まで、まぶたが少し荒れていて怪しいと教師から難癖をつけられていました。でも、同世代のタレントや女優さんはバンバンメイクをしてテレビや雑誌に出ているわけで、“年齢不相応”という理由にはならないですよね。友人との間での話では、見た目を気にする人は“異性関係が派手”という印象を与えるからじゃないか、ということになっていましたが、そもそも見た目に気を遣うのは悪いことなんですかね?」(Aさん)
ポニーテール禁止でもツインテールはOK
髪型の規定が厳しい学校は多い。広告代理店で働く30代女性・Bさんは、髪型にまつわる校則が「謎でしかなかった」と振り返る。
「うちの高校ではパーマが禁止で、天パ(天然パーマ)の子はストレートパーマをかけさせられていましたね。“パーマ”イコール、くるくるした髪の毛というイメージで、つまりは髪の毛はまっすぐじゃないといけないという理屈でしょう。水泳の後にわざわざ確認しに来た先生もいました。天パは水で濡れると“伸びる”けど、人工的に巻いたパーマは濡れるとさらにくるくるになる性質があるのを利用して、天パなのかどうかをチェックするというわけです。
髪の毛の色も、黒しかダメ。私は薄い栗色のような髪色なので、よく疑われて、その度に不愉快な思いをしました。先生になぜ黒しかダメなのか理由を聞いても『そういう決まりだから』の一点張りでした。あと、髪型はポニーテール禁止で、ツインテールはOK。まことしやかに『ポニーテールだとうなじに男子が興奮するから禁止』なんて言われてますけど、逆に男子がうなじを見せるのは問題ないわけで、もう何がなんだかわかりません(笑)」(Bさん)