料理をするためには調理器具が必要だ。鍋や包丁といった基本的な道具以外にも、便利なキッチンツールはたくさんある。しかし、思わず買ったものの中には、「自分には使いこなせなかった」「合わなかった」というものがあるという人は少なくない。台所に「今は使っていない」というキッチンツールが眠っているという人たちに、事情を聞いた。
シリコンスチーマーにすっかりハマったが…
IT企業に勤務する30代男性・Aさんがまず挙げたのは、火を使わずにレンジ調理ができる「シリコンスチーマー」だ。
「手軽に野菜を蒸して食べられる便利さに惹かれて、シリコンスチーマーを買いました。最初のうちは、なんでもかんでも蒸して食べるなどすっかりハマっていました。でも、肉を入れたりすると、使用後のベタベタ感がなかなかとれず、においも残るように感じました。においに関しては使っている人共通の悩みのようで、検索すると対策がたくさん出てくるのですが、せっかく調理は楽なのに、その後に一生懸命洗うのが面倒くさくなって、今はあまり使っていません。においのつかない、じゃがいもや根野菜を下茹でするくらいがちょうど良いのかな、と思います」(Aさん)
コロナ禍で外食をしなくなり、自宅で少し手間がかかるものを作ってみようと思い立ったAさん。今度は熱伝導性が良く、保温性に優れた鉄製フライパン「スキレット」を購入した。
「アヒージョ、コロコロステーキ、ソーセージ、ハンバーグなんかを作りましたが、おいしかったし、見た目的にもテンションがあがりました。ただ、やっぱり鉄製なので、手入れを怠っているうちに錆びてしまって……。錆取りもできるみたいですが、私は面倒くさがりなので、そのまま放置して、使わなくなりました。やはり“○○するのに便利”とか、手入れが特殊なものは、だんだん使わなくなる傾向がある気がします。スキレットは、その後キャンプ好きな友人にあげました」(Aさん)