コロナ禍やウクライナ侵攻の影響で、食料品やさまざまな生活必需品などの値上げが続いている。その規模は、一世帯あたり年間で5万~8万円の支出増になるともいわれている。家計のプロは、この状況をどう見るのか──。
いままでは、値上げの周期は数年に1度くらいだったが、「年内に再値上げの可能性は高い」とファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは言う。別掲の2枚の表は、5月に値上げを発表している商品と6月以降の値上げを発表している商品のごく一部。インスタントの麺類は、原材料の小麦価格、原油高による包材・物流費、人件費などの高騰により5~12%値上げされる。アルコール、菓子類、アイスクリームなどの値上げも、原材料と物流費の高騰が主な原因だ。
「定期的に購入しているものは、いまのうちにまとめ買いをしておくことをおすすめします。わが家の場合、コーヒー豆の高騰が続いて値上げが予想されるドリップコーヒーに加え、値上げは発表されていないが夏に消費が増える麦茶、6月からの値上がりが発表された、ごま油の業務用サイズを4月に購入。これでほぼ1年分まかなえます。ただし、購入の際は賞味期限を確認するようにしてください」(丸山さん・以下同)
年に数回必ず買うストック品の購入には、通常の価格より5~15%も安くなる「Amazon定期おトク便」を利用。タイムセール祭りやプライムデーなども利用すれば、価格上昇分を抑えることができる。
このほか、「楽天お買い物マラソン」では、その都度欲しい商品が変わるシャンプーやヘアケア商品、本、靴下、のり、オキシクリーン(洗剤や掃除に使う酸素系漂白剤)などを購入。貯まったポイントはふるさと納税に使っている。
「いままでは、野菜などの食品を返礼品にしている自治体を選んでいましたが、今後はトイレットペーパーなどの日用品も検討します。紙製品も春から上がっているので、実質の還元率が高くなると考えられます」
たとえば大阪府泉南市では5000円の寄付で、個包装のリサイクルトイレットペーパーが48個もらえる。還元率は43%だ。
スーパーの西友やイオンなどでは、プライベートブランドの大部分の価格を6月末まで据え置くと発表している。いまが最安値と考えて、消耗品ほど買いだめを視野に入れておくことも家計を守る方法となるだろう。