投資情報会社・フィスコが6月20日~6月24日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。主要中央銀行による金融引き締めの加速を背景に、世界経済の大幅な減速が警戒されている。欧米諸国の株式が一段安となった場合、リスク回避的な円買いが強まる可能性があるが、日本銀行は6月17日開催の金融政策決定会合で現行の金融緩和策を維持・継続することを決定した。日米金利差のさらなる拡大が想定されることから、安全通貨としてのドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
FRBは14-15日の連邦公開市場委員会(FOMC)での討議を踏まえ、FF金利の誘導目標を0.75%引き上げ1.50-1.75%とした。パウエルFRB議長は5月会合後の記者会見で6月と7月は0.50%利上げの可能性に言及したが、同時に公表されたドットチャートの中央値は2022年末時点で3.375%と、実現可能な金利水準。さらに複数のメンバーは中央値を上回る水準を予想し、メンバーの大半は金融引き締めを推進する意向を持っている。16日には英中央銀行とスイス中央銀行が金利引き上げを決定しており、欧州中央銀行も7月に預金金利の引き上げを計画していることから、日本銀行を除く主要中銀の金融引き締めによって米国は景気後退に陥るとの見方が増えている。
パウエルFRB議長は記者会見で0.75ポイントの利上げが今後も続くとは限らないとの見解を示しているが、日米金利のさらなる拡大が確実視されており、新たなドル売り材料が提供されない場合、米長期金利が伸び悩んでもドル円は底堅い動きを保つことが予想される。
【米・6月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI】(23日発表予定)
23日発表の6月S&PグローバルPMIは製造業が56.3、サービス業は53.7といずれも前月から上昇する見通し。景気の好不況の節目となる50を引き続き上回り、減速懸念の後退で株高・円安の要因となりそうだ。
【米・5月新築住宅販売戸数】(24日発表予定)
24日発表の米5月新築住宅販売戸数は59.5万件と、前月の59.1万件を若干上回る見通し。長期金利の上昇で住宅ローン金利を押し上げ住宅関連は減速傾向だが、市場予想を上回った場合、消費拡大を期待した株買い・円売りに。