投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月19日~7月22日の動きを振り返りつつ、7月25日~7月29日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1126.19円高(+4.20%)と3週続伸。26週移動平均線に続き52週線も一気に上抜いてきた。日経平均は先週13日から負けなしの7日続伸となり、大躍進となった。
週明け、連休中にあったスマートフォン大手アップルの一部新規採用縮小・支出減速の報道が投資家心理を冷やした。ただ、米金融大手の好決算に加えて、7月ミシガン大消費者信頼感指数の長期期待インフレ率が1年ぶりの低水準となり、大幅利上げ観測が後退したことによるセンチメント改善が勝り、上昇して始まった。その後、ロシア国営ガス会社がパイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州への天然ガス輸出を再開するとの報道で上昇に弾みがついた。
警戒された企業決算についても、米国の動画配信サービスのネットフリックスや電気自動車(EV)大手テスラの決算は予想を上回り、前の週からのハイテク・グロース(成長)株の買い戻しに拍車をかけた。イタリアの政治情勢の不安定化や、欧州中央銀行(ECB)による予想(0.25pt)を上回る大幅利上げ(0.5pt)などもあったが、日米そろって株式市場はハイテク・グロース株をけん引役に力強い動きを続けた。一方、米国の住宅関連指標や景気指標は軒並み予想を下回り、景気後退懸念が強まるなか、資源関連株や景気敏感株は相対的に冴えない展開だった。
今週の東京株式市場は神経質な展開か。本格化する日米主要企業の4-6月期決算に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、イベントが集中するなか方向感が定まるのに時間がかかりそうだ。
26~27日にFOMCが開催される。米6月消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上振れたことで一時1.00ptという超大幅な利上げが警戒されたが、その後の米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの発言でこうした動きは沈静化した。市場では0.75ptの利上げが完全に織り込まれており、恐らく予想通りになるだろう。大幅な利上げに変わりはないが、いったん、1.00ptの利上げを織り込みにいった経緯から、大きなサプライズは起こりにくく、無難な通過が予想される。21日、欧州中央銀行(ECB)は0.5ptと事前の予想(0.25pt)を上回る利上げに踏み切ったが、相場のネガティブな反応は限られた。市場の利上げに対する織り込みは大分進んでいると推察され、相場の底堅さはある程度は維持されそうだ。