投資情報会社・フィスコが8月1日~8月5日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース鈍化が見込まれ、長期金利がさらに低下した場合、ドル売り・円買いを促す展開となりそうだ。ただ、リセッション入りの懸念が後退すればドルの買戻しが再開しよう。7月26-27日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBはFF金利を0.75ポイント引き上げ、2.25-2.50%とした。パウエルFRB議長はインフレ抑止を強調する一方、今後利上げペースを緩める可能性に言及しており、今後の経済指標にらみの展開が予想される。
今週は7月雇用統計や新規失業保険申請件数など雇用関連統計の発表が予定されている。8月5日発表の7月雇用統計で失業率は横ばいの見通し。ただ、非農業部門雇用者数は6月実績を下回ると予想され、FRB内のハト派寄りの見解を後押ししよう。一方、28日に発表された米4-6月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+0.5%の予想に反し、-0.9%と1-3月期に続きマイナスとなったが、バイデン政権は歴史的低水準の失業率を挙げ、雇用情勢の改善を理由にリセッション入りを認定しない方向のようだ。景気減速の疑念は根強く残るものの、景気回復の持続という政府の判断が消費マインドの悪化を抑え込み、株安・金利安・ドル安を回避する見通し。
企業決算もピークを迎え、ウォルマートの業績見通し下方修正などで消費減退が見込まれるものの、想定ほど悪化しておらず、NY株式市場で株価が堅調ならドル売り・円買いを弱める要因となりそうだ。また、日米中銀による政策の違いを背景に、ドル買い・円売りが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。
【米・7月ISM製造業景況指数】(8月1日発表予定)
8月1日発表の米7月ISM製造業景況指数は52.3と、前月実績の53.0をやや下回る見込み。ただし、製造業関連の減速は織り込み済みで、想定通りの内容でも為替相場への影響は限定的とみられる。
【米7月雇用統計】(8月5日発表予定)
8月5日発表の米7月雇用統計は、失業率が3.6%と横ばいだが、非農業部門雇用者数は前月比+25.0万人、平均時給は前年比+5.0%と6月実績を多少下回る見通し。