投資の世界で日本企業の株価はその業績や成長性に比べて、世界から“軽視”されていると言われる。その理由の1つは女性の活躍する土壌が育っていない点にあるとみられる。経済ジャーナリストの森岡英樹氏が語る。
「日本の株式市場でも幹部の女性比率が上がった企業は伸びるだろうと考えられており、それが投資資金を呼び込むことにもつながるというのが、常識になってきています」
女性が活躍する企業には「投資先」としての魅力もあるということだ。そこで女性経営者や女性活用企業に詳しい日本金融経済研究所代表の馬渕磨理子氏、同理事の金成柱氏、後藤敏仁氏に有望な「女性活躍銘柄」15企業を選定してもらった。
まずはスマホのメッセージングサービスを手掛けるAI CROSS。
「決済時など本人確認で利用される成長分野。原田典子社長は、結婚・出産をNY駐在時代に経験。現地で出産や育児に関する情報収集をしながら、仕事との両立を実現したことがビジネスの原体験になっているそうです。また、個人投資家とのコミュニケーションを積極的に取ろうとする姿勢にも好感が持てます」(金氏)
株主として多くの資産を持つ女性のランキングで18位(311億円)にランクインした起業家・端羽英子氏が代表を務めるビザスクは、様々なビジネスのコンサルティングを最短1時間で実現するサービスで頭角を現わした企業。この端羽氏もママ社長だ。
「シングルマザーとして投資ファンドで5年間勤務したバイタリティの持ち主。日本の大企業の大半が50代で役職定年を迎え、ポストを失うことで貴重な知見を発揮する場がなくなる。その状況を上手く活かして数多くのアドバイザーを抱えています。先見の明のある女性リーダーの代表格」(馬渕氏)