日本人が海外に行く際に高いハードルになっていたのが、「帰国72時間前に海外で行うPCR検査」だ。そのルールが2022年8月15日に変更となった。依然としてPCR検査は必要だが、帰国前72時間以内であれば、日本出発前の検査でもよくなったのだ。具体的な変更点はどのようなものか、また、新しいルールをどのように活用すればよいのか。「3日もあれば海外旅行」がモットーのトラベルジャーナリストの橋賀秀紀さんが解説する。
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2022年8月15日、厚生労働省は水際対策についての新たな措置を発表した。現在すべての日本入国者に対して、PCR検査ないし、定量抗原検査を課しているのは周知のとおりである。この検査は海外で受けることがこれまで必須条件だった。
それが、8月15日0時以降の日本帰国者に対しては、日本国内でPCRなどの検査を受けてもよいということになったのだ。[参考:新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置(日本出国前に日本で取得した検査証明書の扱いについて)]
特典航空券を利用すれば直前で予約可能
2022年8月15日現在、すべての日本入国者は、日本への帰国便の出発72時間以内にPCR検査(もしくは抗原定量検査)を受け、陰性証明書を事前に入手しておく必要がある。ワクチンを3回接種しているかぎり、東ヨーロッパのアルバニアと西アフリカのシエラレオネからの帰国をのぞき、日本入国後の抗原検査は免除となっている。
日本への帰国便の出発時刻の72時間前以内に検査を受けなければならないという条件は変わらない。だが、その72時間以内に日本国内でPCR検査→陰性証明書をゲット→日本出国→現地に滞在→日本への帰国便に搭乗という弾丸旅行であれば、海外でPCR検査を受けることなく海外旅行に行くことが可能となった(最大で2泊3日も可能)。
今回の変更の最大のメリットは、なんといっても海外で陽性となってしまい、日本に帰国できないというリスクを極小化できることだ。日本で検査を受けるわけだから万一陽性となった場合には旅行そのものをとりやめてしまえばよい。
ただし、このスキームで海外旅行に行く場合、越えなければならないハードルがいくつかある。まず日本で検査を受け、結果が出てから航空券を手配することになるので出発直前でも手配できる航空券でないといけないということだ(キャンセル料を支払うのを覚悟であらかじめ航空券を手配するという選択肢もあるが、あまり現実的ではない)。