コロナ禍におけるマスク生活はさまざまな影響・変化をもたらしたが、美容に関しても興味深い調査報告がある。『アデランス』が2021年2月、「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活環境の変化による見た目への意識やケアに関する調査」を行った(インターネット調査。全国の20~60代の男女4888人を対象に実施)。
その中の「他人の顔で目がいくようになった部分はあるか」という質問に対し、男女ともにいちばん多かった回答は「目元」。続いて「髪」だった。
これを受けてアデランスは、2022年1~2月に「シャンプーに関する意識調査」を実施した(全国47都道府県の20~60代の男女各52名ずつによるもの。2022年1月31日~2月2日、インターネットで実施)。同社研究開発部の毛髪診断士認定指導講師の伊藤憲男さんはこう語る。
「コロナ禍で意識や視線が髪に集まりやすくなりました。そうした中、近年はオーガニックタイプのシャンプーや一人ひとりの髪質に合わせて作るパーソナライズシャンプーなど、ヘアケア商品が多様化してきています。そこで、消費者がどんな点を重視してシャンプーを選んでいるのか、意識の変化や実情を調査しようと思ったのです」(伊藤さん・以下同)
その結果、使用しているシャンプーの価格について「1000円未満」と回答した女性は62.5%。「2000円以上」と回答した人が13.8%もいた。
「男性の7割以上が1000円未満と回答したのに対し、女性の方がシャンプーにかける金額が高くなっています。さらに、都道府県別に集計すると、1000円未満と回答した人の割合が高い『シャンプー節約志向県』の1位は、同率で宮城県と沖縄県。2000円以上と回答した人の割合が高い『シャンプー高級志向県』の1位は島根県となりました。どちらも全国平均に比べると大きく上回っていました」