投資情報会社・フィスコが9月12日~9月16日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米インフレ高進を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め長期化を見込んだドル買いが継続する可能性がある。ただ、日本銀行の黒田総裁は9日、岸田首相と会談し、「急激な為替レートの変動は好ましくなく、市場の動向を今後とも十分注視していきたい」と述べている。現在の為替の動きについて「為替が1日に2円も3円も動くのは急激な変化だ」と語っている。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を今月20-21日に控えており、当面の金融政策を見極める必要があることから、リスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がる可能性は低いと予想される。
注目は13日発表の8月消費者物価コア指数(CPI)か。7月実績は前年比+5.9%にとどまったが、8月は同+6.1%と再び上昇の見通し。市場予想と一致した場合、インフレ鈍化を示唆するデータと異なるため、長期金利の上昇やドル高につながる可能性がある。
一方、15日発表の8月小売売上高は前月比横ばいとなる見込み。7月実績の0.0%との比較で改善しなかった場合、リスク回避的なドル売りが強まる可能性がある。なお、欧州中央銀行(ECB)は9月8日開催の理事会で0.75ポイントの大幅利上げを決定したが、ユーロ圏経済への先行き不透明感は消えていない。ECBは追加利上げを計画しているようだが、ユーロ売り・米ドル買いが続いた場合、米ドル・円の取引でも米ドル買い・円売りが優勢となる可能性がある。
【米・8月CPI】(9月13日発表予定)
9月13日発表の米8月CPIは前年比+6.1%と予想されており、上昇率は7月実績を上回る可能性がある。市場予想と一致した場合、大幅利上げを織り込む材料となろう。
【米・8月小売売上高】(9月15日発表予定)
9月15日の米8月小売売上高は前月比+0.0%にとどまる見通し。市場予想と一致した場合、さえない個人消費を嫌気してドル売り材料となる可能性がある。