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定年後にフリーランスとして働く選択肢 「シニアこそフリーに向いている」というワケ

趣味や特技を生かし、定年後にフリーランスとして働く選択肢も(イメージ)

趣味や特技を生かし、定年後にフリーランスとして働く選択肢も(イメージ)

 定年後に、「飲食店や雑貨店を始めたい」「自分の会社を興したい」という夢を持つ人もいるだろう。だが、年を取ってからの起業で成功できるのは、ごく一部の才気ある人のみ。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典さんが話す。

「いきなり起業しても、市場のリサーチも、利益の出し方もわからないことがほとんどで、うまくいくことは少ないでしょう。起業したいなら、まずは副業として、小さな規模から始めることをおすすめします。数年はうまくいかなくて当たり前だと心得て、趣味の範囲でやっていくのがいい」

 定年後は、仕事の処理能力が低下する一方で、対自己能力と対人能力は60才を過ぎても上げることができる(グラフ参照)。

 特に女性は、男性と比べてもともと対人能力が高い傾向にあるため、再就職にしろ、副業からの起業にしろ「人間力」を武器にした仕事がしやすくなる。

「60才を過ぎた女性はさまざまな経験をしていて、いわば対人能力は百戦錬磨。趣味や特技を生かしてコミュニティーをつくれば、そこで活躍できます。例えば、専業主婦時代の趣味から本格的に勉強してカラーコーディネーターになり、いまでは予約が取れないほど人気が出た女性や、離婚寸前だった夫婦仲を改善するために心理学や脳科学を学んだことを役立てて『夫婦円満コンサルタント』になり、相談役の仕事を引き受けるようになった主婦もいます」(高橋さん)

 定年後を見据えて勉強するなら、ねらい目なのが「IT」や「プログラミング」だ。一見、敷居が高そうだが、どの業種でも需要のあるスキルで、ITスキルを持つシニアが少ないことから高い評価を得やすい。『定年後ずっと困らないお金の話』の著者でマネーコンサルタントの頼藤太希さんが言う。

「ウエブデザイナーやエンジニアなどは老若男女問わず需要が高い職種なので、定年後も稼げる。いまはスキルに自信がなくても、50代のうちから準備しておけば、定年後も活躍できる可能性が高まります」

 もちろん、ゼロからITスキルを学ぶのは簡単なことではないので、無理は禁物。だが、パソコンがあれば自宅勤務や時短勤務が可能なことも多いので、身体的な負担を抑えることができるのは大きなメリットだ。

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