投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月12日~12月16日の動きを振り返りつつ、12月19日~12月23日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で373.89円安(-1.34%)と反落。ローソク足は長い上ヒゲを伴った陰線を形成。一方、26週移動平均線など主要なサポートライン上で週を終えた。
日経平均は週前半、米11月消費者物価指数(CPI)などを前に様子見ムードが強く、12日、13日は58.68円安、112.52円高と一進一退の展開となった。米11月CPIが10月に続き予想以上に鈍化すると、インフレ減速期待が高まり、14日の日経平均は201.36円高。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り、0.5ptへの利上げ幅縮小が決定されるも、政策金利見通しやパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容が総じてタカ派的だったことを受けて、15日は104.51円安と反落。
週末16日は524.58円安と大幅続落。米国の小売売上高や鉱工業生産など主要経済指標が軒並み予想を下回ったことで景気後退懸念が強まり、売りが膨らんだ。また、欧州中央銀行(ECB)もFRB同様に利上げ幅を0.5ptに縮小するも、ラガルド総裁が、利上げ幅の縮小を「ECBの政策転換だと考えるのは誤りだ」とタカ派な姿勢を見せたことも、金融引き締め長期化を意識させ、リスク回避的な動きを強めた。
今週の東京株式市場は軟調な展開が予想される。13-14日に開催されたFOMCでは見通しとして、2023年末の政策金利中央値が前回9月時点の4.6%から5.1%へと引き上げられた一方、23年の経済成長率見通しは0.5%へと下方修正された。FOMCの直前にフェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込んでいた政策金利水準は来年5月頃をピークに4.8%程度で、23年末では4.3%程度となっていた。来年後半には0.25ptの利下げが2回行われると予想していたと考えられ、今回、FRBが示した見通しと大きな乖離がある。また、23年末の金利水準として5.4%以上を望むメンバーが7人もいたことも踏まえると、FRBのタカ派スタンスは非常に強い。
さらに、今回の0.5ptの利上げにより、政策金利(FF金利)の誘導目標レンジは4.25-4.50%へと引き上げられたにもかかわらず、パウエルFRB議長は会見で、「いまだ十分に景気抑制的な政策スタンスではない」、「インフレが2%に向かうとの確信が持てるまでは利下げは有り得ない」などと発言し、市場の利下げ期待をけん制した。ECBも利上げ幅を縮小したが、ラガルド総裁はインフレの水準は依然高すぎるとし、沈静化に向けて同様の利上げがしばらく続くと投資家に警告した。