子供たちにとって、お正月の楽しみといえばお年玉。お年玉をもらうために、積極的に親戚たちに会いに行くという家もあるだろう。しかし、とりわけ値上げラッシュが続き家計が苦しい昨今は、大人にとってお年玉は大きな出費でもあるだろう。しかも子供がいない大人となれば、家計に“入ってくる”お年玉は1円もなく、ただ出ていくだけ。複雑な感情を抱いている人は少なくないようだ。
都内に住む自営業のAさん(40代男性/既婚、子供なし)は、正月、親戚の集まりに行こうものなら、甥っ子や姪っ子だけでなく、いとこの子供たちにもお年玉をあげなくてはならないのが憂鬱だという。
「姉が子供を産んで、初めての甥っ子ができたときは本当にかわいくて、お年玉なんていくらでもあげたいと思っていました。まだ2歳くらいの頃、おもちゃも含めて3万円分くらいのお年玉をあげようとして、姉に『やめてくれ』と言われたこともあったほど。
でも、姉が2人目の子供を産んで、さらにいとこたちにも子供ができて、気づいたらお正月の集まりに5人くらい子供たちがくるようになっていたんです。仮に1人5000円あげたら、合計2万5000円。なかなかツライですね」(Aさん)
初めての甥っ子にはデレデレだったAさんも、最近はそうでもないようだ。
「姉の子供はまだしも、いとこの子供たちなんて正月のときにしか会わないから、デレデレという感じでもなく、あまり“お年玉をあげたい”という気持ちにならないんですよ。かといって、子供たちは期待しているし……。あげないのも違う感じがするし、お正月の親戚の集まりがだんだん憂鬱になってきました」(Aさん)