昨年来、「高配当株」への注目が高まっている。高配当銘柄の指数である「日経平均高配当株50指数」は前年末比の騰落率が2割高と、日経平均株価を大きく上回るパフォーマンスを出している。配当株投資をおこなううえで、大事なことは何か。新刊『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』が話題の投資家・配当太郎氏が解説する。
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配当株投資で最も大事なことは、株価や市場の動きに一喜一憂せず、淡々と株数を増やしていくことです。配当金は株価などの動向に左右されませんから、一喜一憂しても意味がないだけでなく、その必要もありません。
株価というのは、基本的には需要と供給によって形成されるものですが、ある意味では、「今、売りたい人」と「売らなければならない人」が、ただ単に株を手放しているだけのことなので、私たちのような個人投資家には関係のないことです。
個人投資家としては、一時の株価にとらわれることなく、時間軸をフルに活用して、長いスパンで株を買い進めていくことが大切です。株価の動向に、慌てたり、焦る必要は一切ありません。あくまでマイペースを貫く覚悟を持って、粛々と株を買い進めていけばいいのです。
配当株投資に買い時はあるのか?
株式投資の世界では、「株価が下がった時こそ買え!」という言い伝えがあります。私はこれを、半分は本当で、半分は間違っていると考えています。
誰にとっても、できるだけ安く株を買うに越したことはありません。わざわざ高いお金を出して買う必要などありませんから、これが「本当」の部分です。問題は、「株価が下った時」というのが、「一体、いつを基準にしているのか?」ということです。
現在の株価は、確かに1週間前と比べて下がっているかもしれませんが、10年前からその株を持っている人にしたら、少しくらい株価が下がったことなど、実はほとんど影響がないことです。いつの時点を基準にして考えれば、株価が下がったといえるのか? その基準が曖昧で漠然としていることが、私が「間違っている」と考えている理由です。
株価というのは、企業が健全な成長さえ続けていれば、基本的にはゆっくりと上がるか、横ばいになるものです。需要と供給のバランスによって、株価が大きく下がった時は買えばいいと思いますが、配当株投資では、下がったから買うのではなく、別に高かろうが安かろうが、自分が買える時にしっかりと買って、株数を増やしていくことが大切です。現在の株価がこういう状況だから買うとか、買わないという判断をする必要はありません。