宗教団体「幸福の科学」の大川隆法・総裁(享年66)が、3月2日に死亡したと報じられた。教団からは正式な死亡発表や葬儀などの動きは伝えられていないが、公称信者数1100万人を誇る巨大団体の後継者選びは待ってくれない。
大川氏の自宅の土地・建物はすべて教団名義で、資産も教団が管理していたというが、巨額の資産を教団が保有しているのならば、それらを引き継ぐ教団の後継者問題も浮上する。
大川氏はかつて長男の宏洋氏、長女の咲也加氏、三男などを後継者候補にしていたが、現在、子どもたちの中で教団に残っているのは副理事長兼総裁室長の咲也加氏だけとされる。その咲也加氏は後妻で総裁補佐を務める紫央氏との後継者争いに敗れたと言われている。
現在、幸福の科学の公式サイトで大川隆法総裁と大川紫央総裁補佐の対談書『地獄に堕ちないための言葉』の刊行の告知がトップにあげられていることも、内部で紫央氏への権力継承が進められようとしていることをうかがわせる。
その紫央氏は大川氏と同郷の徳島県出身の2世信者で、1985年生まれ。早稲田大学法学部を出て日本銀行に勤務した後、2009年に幸福の科学の職員に転じてからは、秘書局長など異例のスピード昇進を遂げ、27歳だった2012年に29歳年上の大川氏と結婚。専務理事を経て現在は30代にして総裁補佐を務めている。実兄は教団の政治組織「幸福実現党」から2009年衆院選に出馬している(落選)。宏洋氏が指摘する。
「幸福の科学は組織上は総裁がトップで、ナンバー2は総裁補佐の紫央さんだが、実際は教団運営をすべて大川隆法が1人で判断し、自ら指示を出して動かしてきた。教団の代表役員も父でした。宗教法人法では新しい代表役員を届けなければならないそうです。私は咲也加が後継者になるものだと思っていたが、ルートを外れたからもう紫央さんしかいない。しかし、紫央さんは教団運営で何らかの判断を担ってきたこともありません。信者の支持もない」
そのうえで、2代目教祖に必要な“資格”についてこう語る。
「最大の問題は、紫央さんには霊言ができないことです。そもそも2代目は霊言ができることが条件です。なぜかというと、父には自分が霊になって死後も指導を行なうという考えがあった。その霊言は大川隆法が認めた者しかできない。高級霊の霊言ができると認められているのは長男の私と三男だけで紫央さんは認められていない。大川隆法の霊言を伝えることができない紫央さんには幸福の科学を率いることはできないことになる」