投資情報会社・フィスコが3月13日~3月17日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め加速への思惑から、ドルは売りづらい展開となりそうだ。ただ、インフレ高止まりや金利高の影響で先行き不透明感が広がりやすく、過度なドル買いは抑制されるとみられる。パウエルFRB議長は3月7-8日、半期に1度の議会証言に臨み、足元で発表された米国の力強い経済指標に言及。そのうえで、「利上げペースを加速させる用意がある」と言明した。想定通りのタカ派姿勢を受け、金利先高観によるドル買い地合いが強まっている。
FRBは前回2月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.25%に縮小したばかりだが、3月21-22日開催の会合では0.50%に戻す可能性が高まった。政策判断の手がかりとして、14日の消費者物価指数(CPI)がより重要視されよう。14日発表の米2月CPIは前回の伸びを下回る見通し。最近の物価関連統計は予想を上回るケースが目立っており、CPIが予想を上回ればインフレ鎮静化の見方は後退し、ドル買い要因となろう。15日の小売売上高は伸びが鈍化する見通し。米国債市場で10年債と2年債の利回りが逆転する「逆イールド」が示されている。インフレや金利高の影響でリセッションへの懸念が強まるなか、消費の減退が顕著になれば金利安・ドル安の要因になりやすい。
【米・2月CPI】(14日発表予定)
コア指数は前年比+5.4%(前回+5.6%)と予想され、昨年秋以降は連続で伸びの鈍化が続く。ただ、予想を上回ればインフレ鎮静化の見方は後退し、ドル買い要因となろう。
【米・2月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の米2月小売売上高は前月比+0.2%と、前回+3.0%から伸びは鈍化する見通し。インフレや金利高の影響でリセッションへの懸念が強まるなか、消費の減退が顕著になれば金利安・ドル安の要因になりやすい。