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本当に必要な保険の見分け方 「いまやめたらもったいない」は保険会社の引き留めの常套句

25年以上前の保険はお宝の可能性あり

 そもそも、保険に「やめどき」はない。

「貯蓄が30万円あれば医療保険がなくても怖くない。500万円あるならば、介護保険も必要ありません。ライフプランは人それぞれなので、本当のやめどきは“思い立ったとき”。“退職金が入った”“たばこをやめたからついでに”などでもいいでしょう。せめて10年など定期的に見直してほしい」

 だが、保険会社に解約を申し出ても、引き留められることは避けられない。保険代理店を営むB男さんが明かす。

「保険商品は、契約から10年を過ぎて初めて会社に利益が出るしくみであることが多い。そのため、加入から1~2年以内の解約は、担当者にペナルティーがあるのです。契約時に受け取った委託手数料を会社に戻さなければならず、ボーナスに影響する会社もあると聞きます」

 そのため、中には脅しまがいの引き留めもある。だが、ひるむことはない。

「ここまで長々と払ってきた保険料をこの先も払い続けることの方がもったいない。特に掛け捨て型の保険料は1円も積み立てられていないので“保険は卒業しました”ときっぱり言い切ればいい」(横川さん)

 それでも食い下がってくるようなら「解約されたくないのはあなたの都合ではないですか?」「だったらあなたが代わりに保険料を払ってくれるんですか?」と問い詰めれば、さすがにあきらめるはず。

 個人年金保険は加入後1、2年であれば、払ってしまった保険料よりも、この先も払い続ける損失の方が大きい。すぐに解約し、つみたてNISAやiDeCoなどで運用した方がよほど効率的だ。

「ただし、すでに払い込み済みの人や、もうすぐ払込満了になる人は、わざわざ解約しなくてもいいでしょう。払込期間を半分ほど過ぎていて、運用が苦手なら、そのまま続けても損失で言うとあまり変わらない場合もあります。また、1998年より前に加入した終身保険など、利率が2%以上のものは“お宝保険”なので、これは解約しない方がいい」(長尾さん)

 B男さんは「本当に誠実な販売員は目を見て話し、商品や会社のデメリットも隠さない」と話す。

「“私が必要でなければいつでも断ってくださいね”と言う人もいます」(B男さん)

 この先何が起きるかは、誰にもわからない。だからこそ、本当に必要なものだけを残し、ムダなく備えたい。

※女性セブン2023年3月30日・4月6日号

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