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今年4月から女性の定年退職が急増する 誰もが知っておきたい退職金の賢いもらい方

退職金をもらう時は「一時金」か「年金型」か、どちらがお得?(写真:イメージマート)

退職金をもらう時は「一時金」か「年金型」か、どちらがお得?(写真:イメージマート)

「夫の定年」「濡れ落ち葉」──長らく「定年退職」にまつわる女性の懸念や悩みは夫にひもづくものがほとんどだった。しかし「男女雇用機会均等法」第1世代の大卒女性が60才を迎えるこの4月からは、正社員として定年に達する女性が急増する。つまり「自分ごと」として職を手放した後の生活やそれに伴うお金の問題を考えるべきときが来たということ。

 そんな中で誰もが知っておきたいのが、老後資金の柱となる退職金の受け取り方だ。男女問わず、一括でもらう「一時金」と毎月分割で運用利回りが上乗せされる「年金型」から自ら選ぶのが一般的だが、どちらを選ぶべきなのか。税理士の板倉京さんが説明する。

「基本的には一時金でもらう方がお得です。勤続年数にもよりますが、22才で大学を出て60才まで働いた人が退職金を一括でもらうと、2060万円まで税金がかかりません。一方で年金型は非課税枠の金額が低いうえ、社会保険料や所得税、住民税が増える可能性がある。このため退職金は一時金でもらい、NISAなどで自己運用するのがベターです」

 ただし「年金型」の選択が有利になる企業もある。社会保険労務士の北村庄吾さんはこう話す。

「『退職金を年率1%で回して10年支払います』との好条件を提示する企業も多く、メガバンクの普通預金金利が0.001%の時代、それをはるかに上回る利息なら年金型で受け取った方が有利です。ただ大前提は会社が存続すること。会社の財務状況などを確認したうえで一括か分割かを判断してほしい」

 退職金に加えて、会社が掛け金を出して社員が運用し、60才から75才までの好きなときに受け取れる「確定拠出年金」には、知っておくべき節税テクがある。

「例えば一時金2500万円、確定拠出年金650万円のAさん(勤続年数38年)の場合、一度に受け取る場合の所得税は66万2500円です。しかし確定拠出年金をもらう期間を1年ずらすと税率が下がり、所得税は計35万円になります」(板倉さん・以下同)

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