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【日本株週間見通し】東京株式市場は弱含みか 米経済指標や国内企業決算など注目材料相次ぐ

先週の日経平均は3週ぶり反落

先週の日経平均は3週ぶり反落

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月3日~4月7日の動きを振り返りつつ、4月10日~4月14日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週間で523.17円安(-1.87%)と3週ぶり反落。週足のローソク足は3週ぶりに陰線を形成。一方、13週線など主要な移動平均線上は維持した。

 週前半は米個人消費支出(PCE)コアデフレーターの鈍化を好感した買いで堅調に推移。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」の主要加盟国が想定外の追加減産を決めたことでインフレ警戒感が高まったほか、日本銀行が発表した3月全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業製造業の業況判断指数(DI)が市場予想を下回ったが、これらの影響は限定的だった。一方、エネルギー関連株が買われたことに加え、東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に改善策を要請したことがバリュー(割安)株の買いを誘い、全体を下支えした。

 しかし、週後半に大きく下落。米雇用動態調査(JOLTS)や米供給管理協会(ISM)の非製造業(サービス業)景況指数などが予想を下回ったことに加え、米銀大手の最高経営責任者(CEO)が金融システム不安の影響が長期化する可能性を警告したことが投資家心理を悪化させた。ほか、期初に特有の国内金融機関による益出しが相場の重しになったとの指摘も聞かれた。週末は米雇用統計前の様子見から商いが低調で動意に乏しい展開となった。

 今週の東京株式市場は弱含みか。重要イベントが多く、高いボラティリティー相場が続きそうだ。12日には米3月消費者物価指数(CPI)が発表される。前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)(3月21-22日開催)で示された政策金利見通し(ドットチャート)から、利上げは残すところ5月会合での1回と予測される。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も会合後の記者会見で金融システム不安がもたらす与信環境の引き締まりが利上げと同等以上の効果をもたらす可能性を指摘し、利上げ停止に柔軟な姿勢を見せている。米CPIの結果がこうした見方を裏付ける内容となるかに注目だ。

 一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを相次いで主張した。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米CPIが大きく上振れてしまうと、市場の織り込みがFRBの予想に引っ張れる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が強まりやすくなりそうだ。

 12日には前回FOMCの議事要旨も公表される。前回FOMCはハト派ともタカ派ともどちらにも捉えられる内容だったため、今回の議事要旨で追加のヒントを得ようと考える向きは少なくないだろう。FRBは銀行経営不安には規制政策で対応、インフレには金融政策で対応という形で割り切り姿勢がわりと明確な印象もあるため、利下げ転換ハードルは市場予想ほどには高くないとの見方が強まれば、株価にはマイナスと考えられる。

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