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カルチャー講座講師の突然の自宅訪問に困惑 「信頼関係保てないから解約」は可能か

突然、訪問してくるのは非常識では…(イラスト/大野文彰)

突然、訪問してくるのは非常識では…(イラスト/大野文彰)

 カルチャースクールなどでは、すべての受講料を先払いしているケースも少ない。では、講師が原因となり、受講を途中でやめるここになった場合、返金を求めることはできるのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 公共施設で開催された全3回のカルチャー講座を受講しましたが、1回目の受講の数日後、講師が「自分のパンフレットを置かせてほしい」と突然、自宅を訪ねてきました。受講の際に住所や電話番号を伝えましたがあまりにも非常識なので、「信頼関係が保てないので2回目以降の受講をやめます。残りの受講料を返してください」と言いましたが、返金に応じてくれません。公共施設に相談しても、「場所を提供しただけ」と対応してくれず、困っています。受講生は私ひとりです。どうすればよいでしょうか。(神奈川県・58才・主婦)

【回答】
 講座の授業の内容がわかりませんが、たとえば、講師が事業として語学またはパソコン技術の習得に関する教室を開催し、講座が2か月以上続き、支払う受講料が5万円以上であれば、特定商取引法が規制している「特定継続的役務提供」に該当します。

 その場合、講師には、提供役務の内容や対価その他の法定事項を記載した文書をあなたに交付する義務があり、受講者はこの法定文書受領後8日が経過するまでクーリングオフができます。もし法定文書の交付がなければ、いまからでもクーリングオフができ、受講をやめて受講料全額の返還を請求できます。

 また、クーリングオフ期間が終わっていても、将来に向けて契約解除できます。その場合は、受講した1回分を除いて受講料の残額を返してもらえます。事業者が契約で違約金を定めていても1万5000円以上は請求できません。

 特定継続的役務になるのは、語学教室とパソコン教室のほかは、エステ・美容医療・学習塾・婚活サービスですが、カルチャー講座でエステなどを教えるとは思えません。よって、あなたが受講している講座が語学教室かパソコン教室でなければ、同法の適用はありません。

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