「バブル崩壊後、1992年の最安値からの株価成長」「リーマンショック夜明け前からの株価成長」「新型コロナショック夜明け前からの株価成長」において、いずれも米国株に対する日本株の低調ぶりが際立っています。
株式投資の世界では、いまや日本株は新興国株的な扱いです。日本のほとんどの個人投資家が、韓国株やニュージーランド株に興味を示さないように、世界の投資家はほとんど日本株に関心を払っていないといっても過言ではないのです。もちろん、外国人持ち株比率が50%を超えるような東証上場企業も50社近くありますが(2022年9月時点)、それでも日本市場離れは否めません。
米国でグローバル株への投資が盛んになってきたといっても、日本株への成長期待を背景とした投資を考える投資家は、おそらく少数派でしょう。そんな厳しい現実を如実に表しているのが、国際分散投資を行う機関投資家の多くがベンチマーク(運用指数)としているMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の指数構成銘柄の変化です。
20年ほど前には時価総額で日本株が10%近くを占めていましたが、現在では6%ほどにまで落ち込んでいます。日本企業の時価総額の増加は他国に遅れをとっており、指数における構成比率が年々低下しているのです。そして、有名企業が続々と除外されています。
ここ数年だけでも、MSCIから除外された日本の銘柄には、次のようなものが挙げられ、日本からの資金流出が懸念されています。
【2020年】川崎重工業(7012)、ニコン(7731)、三菱自動車工業(7211)、セブン銀行(8410)、J-POWER(9513)などが除外
【2021年】中国電力(9504)、九州電力(9508)、新生銀行(8303)、九州旅客鉄道(9142)、帝人(3401)、東急不動産ホールディングス(3289)、イオンモール(8905)などが除外
【2022年5月】ベネフィット・ワン(2412)、日野自動車(7205)、良品計画(7453)、メルカリ(4385)、ローソン(2651)、コスモス薬品(3349)など22銘柄が除外、新規採用はゼロ(除外超過数は世界最多)
このように日本人になじみのある銘柄が、容赦なく除外されているのです。年々除外される銘柄が増えてくるにつれて、外国の機関投資家は日本株からグローバル株や米国株へと資金をシフトさせています。