物価高騰で出費がかさむ日々が続く。節約のためには「出て行くお金」を最小限にすることが重要だ。特に昨今、キャッシュレス決済が浸透して、コンビニやスーパーでもクレジットカードの利用機会が増えたが、そのやり方を少し変えるだけで支出が大きく変化する。
まず考えるべきは「何枚持つのが正解か」だ。ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんが解説する。
「最適解は3枚です。最もリスキーなのは1枚しか持たないこと。使った金額の用途が膨大で把握しづらいだけでなく、もし紛失や盗難にあった場合、再発行まで決済手段がなくなってしまう。2枚以上は必ず確保しましょう。クレジットカードにはスーパーや家電量販店などの流通系、鉄道・航空の交通系、銀行系などさまざまな発行会社があり、貯まるポイントや受けられる優遇が大きく異なります。よく利用する小売店や交通機関などでお得なカードを使い分けてポイントを貯めるためには3枚がベストです」
クレジットカードを持つに当たっては、さまざまな特典があり目移りしてしまうが、普段の生活に合わせて厳選するのが肝要だ。
「私は普段の買い物にリクルートカード、楽天市場、楽天ペイ用に楽天カードを使っています。交通機関はJRを使うことが多いので、ビックカメラSuicaカードも持っています。ただしやみくもにカードを作ればいいというわけではない。“カードを作れば5000ポイント還元”などのうたい文句につられる人も少なくありませんが、多すぎると管理しきれなくなるため紛失して不正利用に遭うリスクが高くなります」(丸山さん)
近所の“経済圏”で使えるカードを作る
ファイナンシャルプランナーの祖父江仁美さんも「私もカードは3枚使っています」と声を揃える。
「ドラッグストアやスーパーなど近所の“経済圏”で使えるカードを作ることで、ポイントが貯まりやすく、生活費の節約につながっています。支払い項目によって使い分けるのもおすすめです。1枚目は生命保険などの毎月必ずかかる固定費、2枚目は被服費や食費などの変動費、3枚目で毎年の旅行費用など年単位の出費を支払えば、支出が管理しやすくなり、家計を透明化することができます」(祖父江さん)