投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月10日~4月14日の動きを振り返りつつ、4月17日~4月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で975.16円高(+3.54%)と反発。週足のローソク足は2週ぶりに大きな陽線を形成した。
日経平均は週末まで6日続伸で、先週は負けなしとなった。堅調な米雇用統計を受けて景気後退懸念が緩和したほか、日本銀行の植田和男総裁が初めての記者会見で金融緩和の修正を急がない姿勢を示したことなどが支援。また、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が日本株について追加投資を検討しているとの報道も後押しした。その後も世界的な金融システム不安が後退する中、米国3月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)でインフレ鈍化の傾向が確認されたことが買い安心感を誘った。週末には好決算と業績上方修正を材料にファーストリテイリング<9983>が急伸したこともあり、日経平均は一時28500円を回復する場面が見られた。
今週の東京株式市場は上値の重い展開か。先週末までの日経平均は6日続伸と連騰劇が続いた。ただ、週末は決算を受けて急伸したファーストリテイリング<9983>による押し上げ効果が大きかった。また、心理的な節目の28500円水準では戻り待ちの売りの根強さも確認された。一段高には追加の材料が必要な中、今週は2月期決算と3月期決算の端境期で国内では材料不足となるため、海外発の動きに注意を払いたい。
海外では中国で3月の鉱工業生産や小売売上高、1-3月期国内総生産(GDP)が発表されるほか、米国ではゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどの銀行決算、ネットフリックス、テスラなどのハイテク決算が予定されている。中国については購買担当者景気指数(PMI)を通じて既に同国経済の回復基調を確認済みのため、今週は指標結果を受けても決算シーズンを前に関連株については動意薄の反応が予想される。一方、米銀決算ではやはり景気後退に備えた貸倒引当金の積み増しがどれ程のものになるのか、また各社の経営陣による景気先行きに対するコメントなどが注目されよう。
経営破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)と同規模の米銀行の決算にも要注目だろう。先週末の東京市場では4月限オプション取引の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ需給要因が指数の押し上げに寄与した可能性も指摘されているため、米企業決算が先行きに慎重なものになれば、水準訂正を強いられる可能性もあろう。