ほか、蘭半導体露光装置メーカーのASMLホールディングスや半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の決算などにも注目だ。足元で東京エレクトロン<8035>をはじめとした半導体関連株はやや蚊帳の外の状態で、元気がない。ASMLとTSMCを受けた半導体関連株の動きは指数寄与度が大きいだけに株価指数の動向を左右するため、反応を見極めたい。なお、国内では先んじて決算を発表している関連株でマルマエ<6264>やローツェ<6323>、大阪有機化学工業<4187>などの決算内容と株価反応は冴えない。このため、あく抜け感には期待しすぎない方がよいだろう。
ほか、東京市場での株価反応は週明けになるが、今週末に控える米4月製造業PMIも要注目だ。経済指標の中でも特に先行性が高いため、景気後退懸念が強まっている中、指標結果には神経質な展開が予想される。
需給面では引き続き裁定残に注意を払いたい。東京証券取引所が発表している4月7日時点の裁定取引に係る現物ポジションによると、裁定買い残はネットベースで6686.41億円と前週(1兆261.42億円の買い越し)から大幅に減少したものの、依然として高水準にある。裁定買い残の解消余地が大きいため、米国で材料が多い中、海外要因に由来する形で海外短期筋の先物売りが膨らむ可能性には注意しておきたい。
一方、東京証券取引所による株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業に対する改善に向けた具体策提示の要請に加え、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株への追加投資の意向表明などを受けて、足元では日本株への再評価機運の高まりを指摘する声が増えている。このため、商社株を中心に景気敏感株やバリュー(割安)株では底堅い展開が期待できそうだ。
また、ここまでのところ小売企業の12-2月期決算は良好なものが多い印象。世界経済の先行き不透明感が強い中、改善基調にある国内景気を背景に業績に相対的な安心感のある内需系セクターは底堅い展開が期待できそうだ。こうした中、19日には3月の訪日外国人旅客数が発表される。インバウンドやリオープン(経済再開)関連には引き続き物色が向かう可能性があろう。
今週は17日に米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に中国1-3月期GDP、中国3月工業生産、中国3月小売売上高、米3月住宅着工件数、19日に3月訪日外客数、20日に3月貿易収支、米4月フィラデルフィア連銀景気指数、21日に3月全国消費者物価指数、米4月製造業PMI、などが予定されている。