硬貨を入れてレバーを回すと、カプセルに入った玩具が出てくる「カプセルトイ」(通称“ガチャガチャ”)。昭和の時代から子供たちを中心に親しまれていたものだが、昨今では大規模専門店も続々登場し、大人を魅了するエンターテインメントとして人気が拡大している。日本カプセルトイ協会の調査によると、2022年の製造元出荷ベースでの市場規模は約 720 億円と、巨大市場に発展していることがわかる。大人たちがなぜカプセルトイにハマるのか、その魅力を探った。
東京・渋谷のセンター街入口付近に、今年2月にオープンしたのは、カプセルトイ専門店の「#C-pla 渋谷センター街店」だ。「#C-pla」は、北海道に本社を構える株式会社トーシンが運営するカプセルトイ専門店で、全国で89店舗が展開されている(2023年4月現在)。
1階と地階1階に約1700種類のカプセルトイがラインナップされている「#C-pla 渋谷センター街店」では、若者や外国人観光客、大人世代も楽しんでいる。平日夜、この「#C-pla 渋谷センター街店」に来ていた会社員・Aさん(40代女性)に、話を聞いた。
「ついついじっくり見てしまうのは、自分が子供のころに好きだったファンシーグッズや、昭和レトロ系グッズのミニチュアですね。“お店の入り口のマット”とか“喫茶店グッズ”とか、必要かと言われたら“いらない”ものなんですが、なんだか癒やされるんです。使えるものでいうと、エコバッグとかティッシュケースとか、意外と実用的なものもあって、どういう柄が出てくるのかを楽しみに、回してしまうこともあります」(Aさん)
渋谷以外にも大規模なカプセルトイ専門店に行き、1時間近く物色することもあるというAさん。1回で3000~5000円くらい使うことも珍しくないという。
「なんとなくお目当てのものをイメージしつつ行くんですが、広い専門店だと、店内を巡っているうちに“あっ!これカワイイ!”と新たな発見がある商品がたくさんあって、その場でどんどん回してしまう。そういう“出会い”を探すのもすごく楽しいです」(Aさん)