セガ、アドアーズ、タイトーステーション――。コロナ禍でゲームセンターが次々と閉店している。今年1月にはファンにはなじみ深い、格闘ゲームの聖地として知られる新宿西口の「GAME SPOT21」や池袋東口の「シルクハット池袋」といった老舗も姿を消した。
ゲームセンターの営業所数は、近年減少傾向にあったが、そこに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた格好だ。警察庁によると、その営業所数は1989年の約2万2000店からほぼ下降の一途をたどっており、2019年には約4000店にまで数を減らしていた。現在はさらに減っていることが確実視されるが、なぜ、人々はゲームセンターに行かなくなったのだろうか。「ゲームセンター離れ」する人たちの本音とは。
IT企業で働く30代の男性会社員・Aさんは、仕事帰りの息抜きや暇つぶしとしてゲームセンターに寄り道していたが、コロナの影響から在宅勤務になったことで、すっかり行かなくなった。
「クレーンゲーム、音楽ゲーム、レーシングゲームなどをよくしていました。会社帰りの息抜きだったり、待ち合わせに遅れてくる友人を待つ時だったり、結構利用していました。でも、家にいるようになってから、行く機会が全くなくなりました」(Aさん)
それでも、コロナ禍になって以降1度だけ、ゲームセンターを覗いたことがあるというAさん。感染対策の徹底に感心しつつも、「もうしばらくはいいかな」と思ったという。
「筐体ごとに仕切りや消毒液が設置されているし、従業員がこまめに消毒するなど、しっかりと対策されていましたが、店内は閑散としていました。人がいないと、ゲームセンターって入りづらいというか……。ゲームセンターって、騒がしいからいいんだな、と気づきました」(Aさん)