キャリア

社会保険料率は働き方によって増減する 「4~6月の残業」や各種手当には要注意

【2】家族手当や通勤手当などの各種手当も計算に含まれる

 社会保険料の計算に残業手当が含まれることを知っていても、家族手当や通勤手当が含まれることを見逃している人もいるかもしれない。これら継続的に支給される手当も、社会保険料を算出する際の標準報酬月額に含まれる。そのため、新年度のタイミングなどで、4月以降に継続的な手当が支給された場合は、社会保険料が高くなってしまうことが考えられる。

【3】月途中に退職すると社会保険料の負担は前月までに

 会社員に支給される賞与にも、社会保険料率に応じた保険料がかかる。しかし、賞与支給月の月途中に退職した場合、退職月にかかる社会保険料の負担はない。その理由は、社会保険料は、社会保険の資格喪失日の前月までを負担する仕組みとなっており、月途中に退職した場合は社会保険料の負担が前月までとなるからだ(ただし転職した場合、転職先の給与に対する社会保険料は発生する)。そのため、退職月に賞与が支給されたとしても社会保険料を支払う必要がなくなる。

 例えば、6月が賞与支給月となっている会社を6月15日に退職した場合は、社会保険の資格喪失が6月16日になるため、社会保険料の負担は前月の5月までとなる。一方、6月30日に退職すると資格喪失が7月1日となるため、6月分の社会保険料を納めなければならない。

 ちなみに、会社員が副業で得た収入には社会保険料がかからない。収入に対する社会保険料の負担割合が減るので、手取り収入を大きくすることができる。

 一方で、社会保険料の負担が増えることは、必ずしもデメリットだけではない。厚生年金は、納付した社会保険料の金額が多いほど受取金額が増えるので、将来の備えとして納付するという考えもあるだろう。「社会保険料が高すぎる」と嘆くだけでなく、将来どのように受け取れるのか、といった視点をもっておくと向き合い方も変わってくるのではないか。(了)

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