不用品の処分に便利なフリマアプリだが、意外なものが売れることがあり、それも醍醐味の一つだろう。なかには使わなかった納豆のタレや辛子、袋麺の粉末スープなど、商品に付属する調味料が売買されるケースもある。そんなものを、なぜ出品しようと思ったのか。そもそも需要はあるのか──。売り手と買い手、双方の声から、その事情を探った。
無理して使い切ったり、捨てるくらいなら…
メーカーに勤務する40代女性・Aさんは、商品に付属するタレや、テイクアウトすると付属する調味料の扱いに困っていた。
「我が家では、納豆についているタレやからしは使いません。袋麺も鍋のシメに麺だけ使ったりするので、粉末スープが余りがちでした。テイクアウトでも付属のしょうゆやドレッシング、ソース、スパイスを使わず、ついつい自宅にあるものを使ってしまう。かといって調味料も食べ物なので、なんとなく捨てるのは気が引けて、増えていくばかりでした」(Aさん)
無理して使い切るか、割り切って処分するか、選択肢は2つだと思いこんでいたAさんだが、あるとき「そうだ、売ってみよう」と思い立った。きっかけはフリマアプリで意外なモノが売れたことだった。
「いろいろなところでもらう割りばしの処分に困っていたので、ダメもとで数十本まとめてフリマプリに出品したら、売れちゃってびっくり。それで、もしかしたらと思い、調味料の名前で検索したら、多数売買が成立しているのを知りました。以来、一定数貯まったら、出品しています。無理して使い切ったり、捨てるくらいなら、第3の選択として『売る』のはありだと思います」(Aさん)