SNSで他人と比較して「もっとお金を稼がないと」
Aさんは、「パパ活」をする若い女性たちが増えた背景には「SNSによる煽り」があると考えている。
「なんでお金がほしいのかと言われたら、インスタとかで“煽られる”からだと思う。推し活をする場合でも、『あ、この子はこんなに現場に入ってるんだ』(※ライブ会場に足を運んでいる)とか、『この子、こんなにグッズ大量に買ってるんだ』とか、そういう他人の情報が見えるわけですよ。そうすると自分と他人を比較して、『もっとお金を落とさなきゃ、弱いオタクと思われる!』ってバトルモードになっちゃう。
最近だと、整形が身近になっているから、大学でも『この子、やってるな』って分かるくらいアプデ(※アップデート=整形)してる子が普通にいるんです。そうすると、自分もキレイになりたい、だからお金がかかる、というのは仕方ないと思う。女性だけを責めないでほしいです」(同前)
このように「バイト感覚」と考える学生たちも少なからずいるようだが、もちろんリスクは大きい。大学の相談窓口にはパパ活に関する相談が急増しているという。大学で学生相談を担当する女性職員・Bさん(30代)が、その実情を明かす。
「最近、パパ活に関する相談がとても多いです。気軽にはじめたものの、『盗撮されていた気がする、後から不安になってきた』『パパと関係を切ろうと思ったら、しつこく連絡が来て怖い』『地元や大学を知られているからストーカーになるかもしれない』といった相談がありました。また『プチ』と呼ばれる“性行為未満”の行為をするパターンも存在し、そこから『大人』に誘導されてしまい、断りきれないという例もあります。
なかにはアルバイトと掛け持ちでパパ活をして、どうにか学費を払っている子もいるようで、一概に女性を責めることはできません。それでも、手軽にパパ活に手を出す前に、まずはどのような制度があるのか、大人に聞いてほしい。本当に生活が苦しいのであれば、公的な支援を受けることもできます。なにより自分の生活の安全を考えてほしいです」(Bさん)
パパ活からトラブルに発展し、危険な状況に直面してしまうケースもある。盗撮被害や窃盗、脅迫などに発展するケースも珍しくはない。「パパ活」というカジュアルな言葉の背後に、多くのリスクが潜んでいるという事実は、もっと周知されてしかるべきだろう。(了)