若者世代を中心に多くの人たちが、費やした時間に対する効果を重視する「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する時代になった。生活のさまざまなシーンで、“時短”“手間がかからない”ことが「メリット」として強調されるが、そうしたタイパ視点で選ばれがちな食べ物のひとつが「果物」だ。タイパのいい果物、よくない果物について、様々な声を集めた。
タイパもコスパも「バナナが最強」
IT企業に勤務する20代男性・Aさんは、あまり包丁を握らなくていいレベルでの自炊派。果物はタイパが悪く、食べなくなっていた。
「実家にいた時は、すぐに食べられる状態で食卓に出ていたけれど、一人暮らしになってから、果物を食べるときの手間を痛感しています。皮をむいたりや種を取ったり、いざ食べるまでに時間がかかるんですよね。傷むのも早いし……。果物はどうしても食べなくてはならないものではないので、つい後回しにしてしまうので、ますます疎遠になっていました」(Aさん)
そうはいっても、果物が嫌いではないAさん。結局「タイパ最強」と選んだのは、手軽に食べられる「バナナ」だった。
「できるだけ時間をかけず、お腹を満たせるという意味で最強です。しかも、他の果物に比べたら価格も安い。朝、ヨーグルトと一緒に食べることが多いですね」(Aさん)
日本バナナ輸入組合の「バナナ・果物消費動向調査」(2022年7月)によれば、バナナは18年連続で「よく食べる果物」で1位となっている(2位はりんご、3位はみかん)。また、同組合が算出した、最も効率よく栄養素を摂取できる「費用対栄養価」でも、バナナは主要果物12品目のうちトップだった。
日本バナナ輸入組合は、「手にとってすぐに食べることができる『バナナ』は、『いかに手軽に必要な栄養を摂取できるか』というタイパ重視時代にニーズに合致した高パフォーマンスフルーツであると言えます」と太鼓判を押している。