パイナップルは「コスパはいいけど、用意する労力が…」
メーカーに勤務する30代女性・Bさんも、「食べるまでが面倒な果物は、あまり食べない」という。例えば「マンゴー」「パイナップル」だ。
「マンゴーはまず皮をむくのが面倒だし、種を避けて切り分ける必要もあります。その種が大きい分、身が少なくなるのでコスパも悪い。その点で桃も同じだと思います。反対にぶどうやキウイフルーツ、は種が小さくて、ほとんど身なので、食べやすいと感じます。
パイナップはあの分厚い皮が厄介です。とげが指に刺さって痛い思いをしたこともあります。剥いてしまえば身はたくさんとれるし、値段の割にはコスパがいいなと思うんですが、いかんせんその労力が……。まあ、最初から半分や4分の1に切ってあるカットフルーツなら、ありですけど」(Bさん)
そんなBさんも、家族に切り分けるという視点では、タイパが良く感じられる果物もある。例えば、「スイカ」や「メロン」だ。
「スイカやメロンなら、皮つきのまま食卓に出してもよい。とりあえず家族に切り分けてポンっと出せるので、用意する方は楽ですね。ただ、種が多いものは、片付けが少し面倒になりますが」(Bさん)
突き詰めると「冷凍、缶詰、ドライフルーツ」
タイパを重視した結果、果物をそのまま買って食べるのではなく、「冷凍や缶詰、乾燥させたものを選ぶようになった」という人もいる。商社に勤務する30代女性・Cさんが語る。
「タイパを重視するなら、カットフルーツ、冷凍、缶詰、ドライフルーツなど加工されているものがいちばんです。そもそも時期や固体によって、当たりはずれもあるので、果物そのものを買うことは少ないですね。高いし。旬の果物で季節感を感じる、というのは、もう子供がいる家庭での“教育”目的か、セレブの贅沢だと思っています」(Cさん)
果物は栄養価も高く美味しいが、だからといって食べるまでに労力がかかるのは避けたい──。タイパ重視で果物を選ぶ人たちは、そんな思いを抱いているようだ。(了)