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政府が検討中の「デジタル遺言」制度への期待 「様式の不備」による無効を防止、法的効力のある遺言書作成が簡単に

「デジタル遺言」で何が変わるか(イメージ)

「デジタル遺言」で何が変わるか(イメージ)

〈「デジタル遺言」制度創設へ〉──5月6日、日本経済新聞は一面トップで〈政府は法的効力がある遺言書をインターネット上で作成・保管できる制度の創設を調整する〉と報じた。

 現行の署名・押印に代わる本人確認手段や改竄防止の仕組みをつくり、デジタル社会で使いやすい遺言制度の導入を将来的に目指すという。その狙いについて遺言書に詳しい行政書士・FPの柘植輝氏はこう見る。

「デジタル化の議論が出てきたのは、遺言書を残す手段として一番使われている『自筆証書遺言』に問題点があるからだと思われます。誰でも手軽につくれる半面、要件を満たさず無効となるケースがよくある。

 インターネット上の書式に入力することで遺言書が作成できるようになれば、様式の不備などによる無効を防ぐことに繋がる。法的効力のある遺言をより簡便に作成でき、現状の問題点を改善できると思われます。また、インターネット上で手軽に作成できるようになれば、遺言書がもっと広く利用されるようになるという期待も背景としてあるでしょう」

 遺産分割をスムーズにすることなどを目的に作成される「遺言書」は、一般的には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類がある。被相続人が自筆で作成する前者に対し、後者は公証役場で公証人と2人の証人が立ち会いの下で作成する。

「いずれも法的効力に違いはなく、遺言通りに実行されれば、亡くなった人が望んだかたちで相続が進みます。また、遺言書がない場合、不動産の名義変更などで相続人全員の実印が押された遺産分割協議書が必要になりますが、遺言書があればそれが不要になるなど、相続手続きが一部簡略になることもメリットです」(柘植氏)

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