生活費や光熱費の物価高騰が家計を圧迫し、実質的に受け取れる年金は目減りする一方だ。「毎月、年金にプラス数万円の収入があれば……」といった声は少なくない。実は、やり方次第で定年後に月10万円収入を増やすことも不可能ではないという。
実際にどんな仕事が稼げるのか。
「ネットが使えると仕事の幅が広がります」
そう語るのは定年後の稼ぎ方に詳しい副業評論家の藤木俊明氏だ。
「最近は『シェアリングエコノミー』や『クラウドソーシング』といって、ネット経由で自分の能力などを欲しい人に貸し出したり、依頼者の発注に応えるタイプの仕事が多い。そういったマッチングサイトには仕事がたくさん集まっています。また、納品やお金の請求、注文受付、業者とのやり取りなど、ほとんどの事務作業がネット経由となるので、スマホやパソコンなどを日常的に使い慣れておきたい。
ただし、覚えておきたいのは例えばライターの仕事なら1文字につき0.5円など、ネット経由での仕事は出来高払いで、こなした分のお金しかもらえません。そして、完全能力主義かつ競争も激しいので、ひとつの仕事に固執する必要はありません」
そういった働き方が合わなければ、体を使う仕事を選択肢に入れてみる。
「人手不足の昨今、工場の軽作業や配送、マンション管理や警備などシニアでもできる体を使った仕事の需要も多い。時給1500円の工場での軽作業を週2回5時間ずつで月に8回として6万円。これに他の仕事を組み合わせると、月額10万円が見えてきます」(藤木氏)
一方、「セカンドキャリアで最も大切なのは、現役の時とは違って楽しむこと」だと金澤氏。
「散歩感覚でできるポスティングや趣味に近い地域の観光ガイドなど、謝礼は安くても仕事を楽しんでいるシニアも多い。セカンドキャリアは社会とつながり、生きがいを得られることも大切な要素です」
まずはどういう働き方をしたいかを考えることから始めるわけだ。
※週刊ポスト2023年6月2日号