森口亮「まるわかり市況分析」

バブル後最高値を更新中 いまの日本株の強さは「一過性のものではない」と言える3つの根拠

 トレンドはどのように判断するのか? 具体的には週足チャートで一般的に表示される主要な13週、26週、52週の3本の移動平均線の向きを見て、上昇トレンドか下降トレンドかを判断すると良いと思います。ちなみに現在の日経平均株価とTOPIXは全ての移動平均線が明確に上を向いていて、中長期的な株価のトレンドは上昇トレンドと捉えてよいでしょう。

【2】過熱感が続くということは「強い」

 相場の過熱感を測るオシレーター系のテクニカル分析において有名なテクニカル指標のひとつに、RSI(相対力指数)があります。RSIが70を超えると「買われすぎの水準」と捉えられますが、5月22日現在、日経平均株価(日足チャート)では、RSI(14日間)が80を超えています。指数で80を超えるのは2020年11月以来。約2年半ぶりの過熱感となっています。

 ただし、RSIをはじめとするオシレーター系のテクニカル指標がこのように買われすぎの状態が入ったということは、相場が「強い」という証拠でもあります。さらにこの過熱感が続いているということは、「すごく強い状態」ということになります。

【3】海外投資家による現物株の買い越し

 ここまで見てきたように、日経平均株価の52週移動平均線が明らかに上を向き、確度の高い上昇トレンドに入ってきています。オシレーター系のテクニカル指標であるRSIで買われすぎの状態が続いており、下落を警戒する声があることも事実ですが、この状態になるまでにはそれなりの時間を要しており、何かしらの「上がる理由」があるのだと思います。

 日本株が買われる理由を思い浮かべると、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイの追加投資期待や、東証フォローアップ会議後の日本企業への株主還元期待、新総裁後も緩和を維持している日銀の金融政策など、他国に比べると日本株が選好されやすい理由がいくつか考えられます。

 また、4月から続いている海外投資家による現物株の買い越し額が、5月第2週までの時点で2兆8000億円を超えてきています。現物株の売買は中長期マネーと言われるだけに、今後の日本に対する期待感を感じられます。

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