「鍋」「泥団子」などをピカピカに“磨く”ことでストレスを解消する人がいるというが、磨くことは、メンタルヘルスに役立つだけではなく、お金に結びつくケースもあるのだ。メルカリ物販コンサルタントで、“フリマアプリの達人”宇田川まなみさんが言う。
「以前、“無人島に行って、落ちているものからお金を生み出す”というテレビ番組の企画に出演したのですが、貝殻やシーグラス(ガラス片)を磨いてフリマアプリに出品したら、1500円や2000円で売れました。拾ったものを磨いて売っているわけですから元手はゼロ。まさに濡れ手で粟なんです。流木もインテリアやアクアリウムなどに需要があります」
30代の会社員・Aさんは、実際に流木を磨いてメルカリで販売したことがある。きっかけは、昨年の秋の終わりに、子供と一緒に海に遊びにいったことだった。
「子供が流木を拾って『どうしても持って帰りたい』といってきかなくて。仕方なく家に持って帰ったら、案の定、後は見向きもしない。どこかに捨てにいかなきゃなと思っていたある日、“クリスマスの飾りを下げるのにちょうどいいな”と気づいたんです。
丁寧に砂を落として工作用の紙やすりでササッと磨いて飾ったら、ピッタリで。インスタグラムに投稿したら『飾っている木はどこで買ったんですか?』ってコメントがついたので調べてみたら、インテリア雑貨として流木って人気なんですね。メルカリに出品したら、あっという間に1500円で売れたので驚きましたよ。楽しみながら副収入になるから、うれしいですね」(Aさん)
磨くか磨かないかで写真に雲泥の差
前出の宇田川さんによれば、流木のほか、貝殻や石などを磨いてメルカリに出品する人は一定数いて、購入する人も多い“隠れた人気商品”なのだという。
「特にこれから夏にかけては出品が多くなります。自由研究などのために買う人が増えるので、需要と供給のバランスがばっちり合うんですよ。拾ったものでなくても、出品物を磨くことは必須です。靴やバッグ、宝石なども、出品する前に磨いてキレイにすれば、確実に高く売れますから。磨くか磨かないかで写真に雲泥の差がつくし、相手のために一手間加えるという丁寧さが、買い手にも伝わるんです」(宇田川さん)