ちなみに「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)があり、高齢者向けの優良賃貸住宅の供給を増やすため、床面積25㎡以上で、バリアフリー等の構造を備え、安否確認サービス・生活相談サービスを提供するなど、一定の基準を満たす賃貸住宅(サ高住)のオーナーに対し、60歳以上の人と居住の安定を図る賃貸借契約を締結することを条件に登録を受け付け、新築費や修繕費の一部を補助したり、固定資産税の減額の特典を与えるなどしています。
これにより、良質な高齢者向け住宅が増えればよいのですが、昨年末でいまだ全国28万戸に止まっています。「サービス付き高齢者向け住宅」で検索すると、都道府県別にサ高住を探せます。ただし、希望者が多いのが現状で、空きは見つからないと思います。
今後、高齢者は増える一方ですから、公の支援が一層必要です。
例えば、全国では空き家対策が問題になっており、知恵の出しどころがあるのではないでしょうか。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2023年6月9・16日号