杉本さんは“予備”を持ち歩く人の傾向として「自分に自信がない人が多い」と言う。
「例えば、荷物にエコバッグがないと“なんで持っていないんだろう”と自分を責めてしまい、感情のコントロールがうまくいかず、イライラを抑えられなくなる。そのように感情を乱したくないからあらゆる物を準備している。その場で対応すればいいわけですが、そういう人は『日常のルーティン』からズレることを嫌います。それは変化することへの恐怖の裏返しです」(杉本さん)
いろいろな物を持ち歩こうとする人は金銭面でも負担が生じやすいと、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは言う。
「一つひとつは小さな出費でも、ちりが積もれば山となるのでばかになりません」(丸山さん)
必要性はなくても景品やアメニティーグッズを「もらった物だから」とカバンにそのまま入れている人は、思い出を大事にする人だという。
「つまり、満足感や達成感を大切にする傾向があります。それは、それほど変なことではありませんが、その量が多ければ話は別です。例えば、もらった物に限らず、複数のボールペンや不要なノート、書類を入れっぱなしにしている人は単にずぼらな性格か、未来やいまに一生懸命で過去を忘れやすい性格の可能性があります」(杉本さん)
大阪のおばちゃんを象徴するように、常に「アメちゃん」などお菓子を持ち歩いているシニア女性がいる。
「本当になめたい人もいるのかもしれませんが、コミュニケーションツールとして持っている人が大多数だと思われます。そういう人は社交的で、他人のことを思いやる性格の傾向があります。サービス精神旺盛の人ですね」(杉本さん)