日本製を買っておけば安心・安全。品質も良く、間違いがない──。「国産信仰」ともいわれ、日本メーカーの絶対的なブランド力を象徴する価値観だが、現在ではそれも薄れつつあるのかもしれない。国産かどうかにこだわりがないどころか、PCやスマホ、家電、ゲーム、コスメなど、海外製を好んで買う人も少なくないようだ。なぜ「メイド・イン・ジャパン」ではなく海外製品を選ぶのか、特に若い世代を中心に、「国産信仰離れ」する人たちのリアルな本音に迫った。
親はいまだに“国産信仰”だけど…
商社に勤務する30代男性・Aさんは、かつてはPCもスマホも日本企業のブランドを愛用していたが、最近はそこにこだわらなくなった。現在は、スマホはアップル、タブレット端末はLenovo(レノボ、中国メーカー)、ノートPCはASUS(エイスース、台湾メーカー)だ。
「60代の親はいまだに“国産信仰”が強いですけどね。日本のメーカーは『質が良いんだから間違いない』という理由で、何かと国産メーカーを選んでいるようですが、僕は最近は海外メーカーのものばかりですね。正直、スマホやPCでいえば、国産メーカーのものだと、最初から余計なツールやアプリが抱き合わせで入っていることも多い。自然と選択肢に入らなくなりました」(Aさん)
日本メーカーの家電は使いこなせない
家電やゲームでも日本メーカーが選択肢に入らない人もいる。IT企業に勤務する20代男性・Bさんは、家電は中国メーカーのものがほとんどだという。
「父親が僕の家に来たときに、部屋の家電を見て『見たことがないメーカーのものばっかりじゃないか? すぐ壊れるからやめなさい!』と言いました。確かに故障したときのサービスを考えると、日本製がいいのかもしれませんが、高性能で多機能かもしれないけど、その分高くて、使いこなせないものも多い印象で……。質がいいことはわかっても、高いものは買えません。それなら、シンプルな機能で安い中国メーカーのものでいいなと。壊れたら、もう諦めますね」