聞かれてもいないのに、出身大学だけでなく「学部」まで答える人たちがいる。おおよそ名乗るのは、他学部よりも伝統や実績があり、高偏差値であることが多い“看板学部”だ。しかし学生時代の仲間内の話ならまだしも、社会に出てから学部事情を前面に出され、困惑したことがあるという他大学卒の人は案外少なくないようだ。
「中央法」は大学名と学部が「もはやセット」か
IT企業勤務の30代男性・Aさんは、明治大学卒。転職先で中央大学法学部卒の人に遭遇し、“ある法則”に気づいたそうだ。
「『大学どこ?』って聞かれたら、普通『○○大学』って答えると思うんですけど、中央大学法学部卒の人は、『中央法』みたいに大学名と学部名がセットの確率が高いんです。もともと、学生時代に何人か、そういう人に会ったことがありましたが、転職先では『中央法の“法”(法律学科)』と学科まで答える人にも遭遇しました」
Aさんの職場には、中央大学卒の人が何人かいるという。
「卒業大学の話題になった時、『中央大学』という人が2人いたんです。その2人の間で学部の話になった時、法学部の法律学科だと言う人がいて、めちゃくちゃびっくりしました。確かに、MARCHの中でも“中央法”は別格で、早慶並みのプランド力という人もいる。『法科の中央』とも言われますし、すごいと思うんですけど、学科を言われても……どう対応すればいいか困ってしまい、『すごいね』としか言えませんでした。まあ、すごいと言ってほしかったんでしょうけど」(Aさん)
早慶で学部を聞かれた時に「ちょっとドヤる」学部も
金融機関に勤務する40代女性・Bさんは都立大卒。早慶卒の人たちが、「よく学部までの話をしている」ことに驚いたという。Bさんの経験上の話だが、早慶でも「早稲田大学政治経済学部」「慶応大学経済学部」を卒業した人は、「学部を聞かれた時にちょっとドヤる傾向がある」という。
「早慶というブランド力だけでは飽き足らず、『学部』を重視する人がいるんですよね。ただ、外部の人間からすると、何学部でも早稲田は早稲田で、慶応は慶応だし……。仕事につながるようなアピールなら話を聞くんですけど、正直、医学部みたいに国家資格が必要な専門職ならともかく、そうでないなら、大学の学部なんて、そんなに関係ないと思うんですけどね」(Bさん)